昨日おばん諜報部員について書いていて思い出したことがある。
息子の大学入試の時の話。
「勉強なんかせんでええ」と言う私達夫婦の言いつけを守らず勉強しまくりの息子、東京の私大、関西の私大には合格したものの前期国立大学は見事にすべった。
息子の話では「後期は絶対受かる」と言いきり、自信満々だ。
それでも、落ちた時の為にと私大の入学金を納めるべく用意をしていた。
運悪く私大の入学金の支払日と国立後期試験の発表が同じ日になった。
そこで、念の為に夫は東京の私大前、私と息子は大阪の国立大の発表を見に行った。
大学までの長い坂を登り発表を待った。
張り出されて見ると又しても落ちている。
転がるように駅まで帰り大阪駅に向かった。
途中、携帯電話で連絡するが何分にも昔の事、つながらないのだ。
そこで考えたのが自宅で留守番している私の母だ。
「大阪が落ちたから東京に行く。電話があったらそう言って」
母は何の事かわからないままに機転を利かしてかけてきた夫に言ってくれた。
新幹線口について時間を見る暇が無い。
「お兄さん、東京行きどれ?」走りながら大きな声で聞く。
「はい、何番線、飛び乗って社内で料金を払ってください」
「あ~りがとう~」
と、飛び乗って東京へ向かった。
息子が「お母さんがおばんで良かった。僕なんかあんな事できないよ」と言った。
褒められたのか馬鹿にされたのかわからなかったけどこの後も私の「おばんパワー」は炸裂して機転を利かして私大に無事お金を払った夫と無事会うことが出来た。
男性二人は疲れ切ってへとへとになっていたが私は息子の住む所を探して人を掻き分けて大学近くのマンションを探した。
この時とばかりに携帯で予約してマンションの下見に行くことにした。
「え~」と嫌がる二人を従えて急ごしらえの店を出している家電店で必要なものを買い込み入学式まで1週間しかないのですぐに住める様にした。
こんな時「おばん」は本当に力が出る。
身体が弱い私が殆んど気力だけであそこまで出来たのは今でも自分に拍手してあげたいくらいだ。
後にも先にも「おばん」を褒められたのはこの時しか無いがまだまだこの先も利用価値あるかもしれない。