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映画「64 ロクヨン 後編」@109シネマズ木場

2016-06-19 17:37:42 | 映画感想
2016/6/12、109シネマズ木場、3番スクリーン。
公開直後とあって、良い席は早い段階から埋まっており、I列を選択。


 
佐藤浩市、瑛太、綾野剛、榮倉奈々、三浦友和、夏川結衣、
窪田正孝、滝藤賢一、奥田暎二、仲村トオル。

**

冒頭前半のダイジェストが流され、前半を見なくても筋書きは
大体わかるようになっている。



昭和64年の1月に起きた身代金目的の少女誘拐殺人事件、通称ロクヨンは、
公訴時効があと1年ほどとなり、警察庁長官が被害者の雨宮宅を訪問し、
群馬県警を激励することになったが、実は刑事部長を警察庁から送り込み、
県警を牛耳ろうとする策略だとして刑事部が反発する状況となった。

広報官の三上(佐藤浩市)は、記者クラブから反目され、
さらには自分の娘が家出行方不明のままだという個人的な悩みもあった。

警察庁長官の視察の調整に追われる三上に幸田メモの存在が見えてくる。
それは、ロクヨン事件当時、被害者宅で犯人からの電話の録音に失敗したことを
もみ消したというもので、録音班の一人、幸田(吉岡秀隆)が残した物だった。

機器の操作に失敗した日吉(窪田正孝)は失態を苦に引きこもりとなっていた。

三上の真摯な態度に雨宮(永瀬正敏)が長官の訪問を受け入れると答えた矢先、
64模倣の誘拐事件が起きた。

捜査1課主導の捜査本部が設置され、被害者名も住所も公開されないまま、
三上に広報と報道協定の役割が課された。

**

当然ながら、記者クラブの面々は反発。
県警には各社の東京本社などからも大勢の記者が参集し、
匿名とする三上らを吊し上げた。

前作でも三上に対する反目の急先鋒だった記者クラブ幹事社の秋川(瑛太)は、
相変わらず三上に反発するが、東京から来た記者連中に罵られてしまう。

実名を明かすと約束した三上は、捜査一課長の松岡(三浦友和)に執拗に迫り、
ついに被害者の実名を知り、記者たちに明かす。

被害者はスポーツ用品店経営の目崎の長女17歳。
記者クラブにそれを明かすことにより、報道協定の取り付けに成功する。

しかし、その後の捜査の状況は一向に明らかにされず、
記者会見に来たのは担当でない捜査二課長の落合(柄本佑)。

落合の説明に記者たちはさらに荒れ、記者会見場は騒然となる。
気絶するほど追い込まれた落合だが、気を取り直して時間を稼ぎ、
その間に三上が直接情報を仕入れるため奔走する。

果たして今回の事件とロクヨンの関係は。
三上はその真相に迫る。



全体としては緊迫感もあり、完全に三上だけの目線ではないので
県警内部の行き違いとか思惑の違いとか、そういう点も面白かった。

ネタ晴らしもなかなか良かったが、実際にあの方法で犯人を突き止められるのか。
雨宮の記憶力を疑うつもりはないが、似た声の持ち主は結構いるのではないか。

例えば、一度聞いただけの双子の声を聞き分けられるか。



原作の結末をいじることはよくあるし、それを観客にどの時点で知らせるかも、
また映画制作側の妙というか醍醐味なんだろうと思う。

もとより小説にしても漫画にしても、長いものを2時間ほどの制約の中に
はめていくわけで、原作をただ追うだけでは中途半端になってしまうし、
どこに焦点を当て何を省くかも大変だろうがまた一興だろう。



全編の感想でも書いたが、記者クラブと警察との関係は理解しがたい。

記者連の地元と東京の関係もよくわからない。

もともと記者クラブでいろいろ便宜を図ってもらい、
独自の取材をしているようにも思えない記者たちが
警察に対し上から目線で言いたい放題していたのに、
東京から来た記者連中に言い込められると、急に大人しくなったうえに
警察に対して仲間意識を持ったのか、私たちも悔しいですって何なのって思った。

前編で信用できないとか、証拠見せろとかぼろくそに言ってたくせに
仲間面すんなよって。

警察が信用できないんなら自分たちで取材しろよ。
それとも県警詰め記者クラブはそういうことをしないことが決まりなのか。

怒鳴りあいや罵りあいでない緊張関係はないのか。
「クライマーズ・ハイ」の記者連のほうがすごかったよな、なんてね。

また、警察ものではよくある、本庁と所轄のいがみ合いや、
県警内部の対立構造と足の引っ張り合い。
今作でもやたら強調されていたが、本当にそうなのかな。

全くないとも思わないが、実際に捜査に支障をきたしたり、
意思疎通ができないようでは困る。
記者クラブとの関係も含めて、映画だけのことであってほしい。



主要キャストは続投だが、椎名桔平は出なかった。
赤井英和と鶴田真由も前編の回想シーンだけだったかな。


**追記1

いつくか終盤の展開に不満はあった。

次女を現場に連れていく必要はあったのか。
目崎に連絡はできないにしても、地元警察に引き取りに来てもらえばいいのでは。

メモはなぜああいうちぎり方をしたのか。
うまい具合にちぎってあったがあのタイミングでああ切るのは無理がある。
またどうせ食うなら全部食うだろ、なぜ残す。

現金をダミー紙幣にするとか、インクが飛び出す仕掛けとか、いろいろできたはず。
全く何もしかけなかったのはなぜ。

**追記2

書き洩らしたが、2千万円は完全に「灰になってしまった」わけではない。
仮にあの程度の油では、まあ油の種類にもよるが、ガソリンではなかったようなので、
2千万円が一気に燃えるとは思えない。

ドラム缶に空気穴などの工夫がしてあったようにも見えなかったし、
札束を帯封のまま、重なるように投げ入れたのだからかなり燃え残るはず。

札束は新券に見えたし、その意味でも密着度はかなり高いから燃えにくさは増す。

損傷日銀券(破れたり、燃えたり汚れてしまったお札)の交換は
日銀窓口への持ち込みが原則だが、本件のような場合、特段の措置が
取られるのではないか。
職員が現場に来て紙幣をこれ以上破損しないような持ち込み方法等を指示するとか。

よほどの高温で強力に焼かない限り、灰からお札であることが分かれば、
その残存面積に応じて現金との交換が可能。

まあ、贔屓目にみても半分程度は現金が戻るのではないだろうか。
あの時の「缶の下」はドラム缶の下かと思った。
札を燃やしたドラム缶を倒せば、灰が壊れてしまう可能性は高く、
交換できない金額が増えるだろうと思ったしね。

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