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映画「八犬伝」@109シネマズ木場(2024/11/8)

2024-11-08 23:09:24 | 映画感想
映画「八犬伝」
2024/11/8、109シネマズ木場、4番スクリーン。

プレミア席を利用。
予約時は5席のプレミア席は我々夫婦だけだったが、入場したときは残り
も埋まっていた。
シネマポイント会員は普通料金で利用できるので断然お得。
更新に年会費がかかるところもあるがここはかからない。
更に、複数人で鑑賞した場合は人数分のポイントが加算される。
ただ、会員割引があるのは火曜だけとちょっと残念。
そのほかにも館によって割引等に差があり、どこがお得かは一概に言えない。

先行上映している「室井慎次 生き続ける者」が混むと予想し、本作にした。
いつもならユナイテッドシネマ豊を選ぶところだが、上映開始時刻の関係を
109シネマズ木場を選択した。


さて、映画は曲亭馬琴(滝沢馬琴)が「南総里見八犬伝」を書き上げていく様子。
八犬伝の物語を実写に置き換えてところどころを表していき、その間馬琴の人となりと
彼を取り巻く人々との関係を取り上げている。

**

役所広司、内野聖陽、寺島しのぶ、磯村勇斗、黒木華、土屋太鳳、栗山千明。


冒頭は、里見義実(小木茂光)は政敵を討ちあぐねており、八房(巨大犬)に
敵将の首を取って来れば娘の伏姫(土屋太鳳)をやると言う。
八房は単身敵陣に向かい、敵将の首を取ってくる。
里見義実はしぶるが八房は引かず、伏姫を乗せていずこかへと去る。
その後いろいろあって、伏姫は死の間際に8つの珠を持つ者を探せと言い残して果てる。

と、ここまでが八犬伝の出だしだと語る曲亭馬琴(=滝沢馬琴、役所広司)が語り、
挿絵を渋っていた、葛飾北斎(内野聖陽)に挿絵を描く気にさせる。

この後も、続く「八犬伝」の物語と馬琴自身の夫婦の不和、息子の病気などがあり、
色々なことに感動したり落ち込んだりと揺れ動く馬琴の心を時系列に沿って、エピソードが描かれる。
勧善懲悪の物語と不条理な現実の狭間で苦悩する馬琴。
しかし、晩年は、あと少しで「八犬伝」も完結と言うときに、馬琴も失明してしまい、
断筆の危機に襲われる。
果たして八犬伝は完結するのか。


原作は山田風太郎の小説「八犬伝」。
八犬伝の物語だけではなく、現実の世界とを交錯させて描いたもの。
CGは凄い。
八犬伝だけでも十分面白いが、現実と物語を混ぜこぜにして、観客にも早く物語の続きが知りたいとの気持ちを想起させる。


ところで女房のお百(寺島しのぶ)は、馬琴に始終悪口雑言愚痴を浴びせる。
病床にあっても弱気にならず、嫁のお路(黒木華)に嫌味を言う始末で、
なんで離縁されないのか不思議だった。
当初は、お百の実家に住んでいた馬琴だが、引っ越して居を構えており、
ここで三行半を突き付けてもよかったのではないだろうか。
それほど離縁が難しいのかと調べたところ、離縁が認められる7つの理由の中に
・多言(男のようによく喋り、家の方針についてあれこれ口を挟む)や、
・嫉妬(家族を恨み、怒る)があるそうで、離婚はできたと思われる。
お百は到底馬琴に愛情を持って接しているとは思えず、あれだけ言うのなら
離縁した方が本人にとってもいいだろうと思うがどうだろう。
馬琴は暴力親父ではないし、浮気者でも甲斐性無しでも穀潰しでもないのに。

実際には馬琴が失明してから口述筆記していたお路に嫉妬していたらしい。

誤解の無いよう付け加えておくが、江戸時代の離婚制度を是とは思っていない。
「七去」が全部妥当だとは思っていないし、通常は妻から離縁することが叶わないのも理不尽。
ただ、「縁切寺(駆け込み寺)」の制度もあるにはあったから、妻が反撃する機会が
全くなかったわけではないようだ。


劇中、「わしが73だから、お前さんは80超えてるだろう。」のセリフがあったが、
馬琴は1767年生まれ、一方の北斎は1760年生まれなので計算は合う。

鉄砲伝来(1543年)は「八犬伝」の設定より100年後としており、
「八犬伝」は1440~1450年頃が舞台と考えられる。
その時代は室町時代。
「八犬伝」の刊行は1814年。
最終は1842年なので、28年間で完結。
起稿、脱稿はいずれもその前年。

トップのチラシは公開日が確定前のもの。
次のチラシには公開日が入っている。

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