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キネマ旬報ベストテン第1位映画鑑賞会「かぞくのくに」@銀座ブロッサム

2013-02-11 08:48:49 | 映画感想
2013/2/10、銀座ブロッサム。
キネマ旬報ベストテンの第1位映画鑑賞会と表彰式が行われた。

作品賞は
日本映画ベスト・テン第1位に
「かぞくのくに」、

外国映画ベスト・テン第1位に
「ニーチェの馬」、

文化映画ベスト・テン第1位に
「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」

がそれぞれ選ばれた。

MoviePlusさんからのご招待で参加。
時間の都合もあって「かぞくのくに」を鑑賞することとなった。

開演ギリギリに到着。
今からだと立ち見になります、と言われ、入ったものの開場は満席。

席を探してしている間にオープニングタイトルになり、
一番後ろからだと家でTVを見ているような雰囲気で興ざめなので、
帰ろうかとしていると、係の方が上映の間だけということで、
プレス席を使ってください、と勧めてくれた。

そこで、表彰式に入る前に席を空ける条件で前2列のプレス席に座った。
早くからプレス席を空けていた方には申し訳なかったが、大変助かった。

このようにごたごたしたため、冒頭の2分ほどは見逃した。

フィルム上映だとは思うが、いわゆるチェンジマークは出なかった。
ただ、時々コマがずれたようなブレ、明度のムラがあったので、
巻の切替時なのかな、と思っていた。

***

井浦新、安藤サクラ、京野ことみ、宮崎美子、津嘉山正種



北朝鮮への帰国事業。
当時16歳のユン・ソンホが一家の中でただ一人、北朝鮮に移った。

しかし、最近脳腫瘍の診断を受け、治療目的で一時帰国(入国)することとなった。

北京経由で25年ぶりに家族の住む日本にやってくるソンホ(井浦新)、
妹のリエ(安藤サクラ)、母(宮崎美子)、父(津嘉山正種)は
首を長くして帰国を待っていた。
申請から5年かけて許された滞在期間は3か月。

父は朝鮮系団体の東京支部の副支部長。
母は喫茶店を経営して家計を支えている。
妹は日本語学校で講師をしている。

千住界隈の下町に住む一家の下に帰ってきたソンホ。
ただ、北朝鮮から監視役のヤン同志も同行、ソンホを監視する。

父は負い目を感じながらも北朝鮮への忠誠を忘れない。
妹は北朝鮮に対する反発を隠さない。
母はただ息子の身を案じるだけだ。

学生時代の仲間とも再会し、思い出話に花が咲くが、
ソンホは北朝鮮のことは一切喋らない。

ソンホは病院でCT検査を受ける。
わずかな滞在期間を精一杯楽しもうとする家族。
行く先々に影のように付きまとうヤン同志。

果たして、ソンホは無事に治療を終えることができるだろうか。
また一時帰国(入国)が許された目的は本当に治療だけだったのだろうか。

***

ヤン・ヨンヒ(梁英姫)監督の実体験をもとにしたストーリーとなっている。

ソンホは帰国(入国、来日、再会)を喜びつつも心からは喜んでいない。
表面上は穏やかに感情を抑えながら父にはわだかまりを持っている。

日本に残った家族も本国の理不尽さには反感を持ちながらも反発することはできない。
物語は淡々と進み、すべての人に苦悩だけが残り、だれも救われない。



井浦新は芸名をARATAから2012年に本名の井浦新に戻した。
安藤サクラは奥田瑛二/安藤和津夫妻の娘、夫の柄本佑は柄本明の息子。



いまだに理解できない部分の多い隣国ではあるが、
考えてみれば、ほんの70年程前の日本も同様で
国家批判、体制批判など到底許されない時代であったし、
御真影に対する扱いなども大差ない。

望む望まないにかかわらず、国が変わるには相当大きい外圧か、
長い時間が必要なのかもしれない。

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