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受精卵取り違え事件、雑感

2009-02-20 11:29:46 | Weblog
喜び一転、中絶という苦渋の決断…香川の受精卵取り違え(読売新聞) - goo ニュース

別人の受精卵で妊娠か=20代女性、人工中絶-県立中央病院・香川(時事通信) - goo ニュース

病院が防止マニュアル作成 受精卵取り違えミス(共同通信) - goo ニュース

上にあげた記事は、冷静に書かれていると思うし、
病院にも確実な再発防止策を講じてもらいたい。

ところで、記者会見の様子を見ていて奇異に感じたことがあった。

何度も同じ場面が放送されていたのでお気づきになった方もあろうが、
どなたか記者の方が、シャーレの取り違えについて、
どの時点で間違えたのか、どこをどう間違えたのか、
明確にするように叱責にも近い形で詰問したのだ。

「どうやって間違えたのかが全然わからない」と。

別の記者だと思うが、ホワイトボードを使って説明せよ、とまで言ってました。

そんなの明確に分かっていたら、すぐに気が付くでしょ。

受精卵の状況と、妊娠経過が順調であることの違和感から、
別の患者の受精卵を戻した可能性が高いことに気づいたようだ。

つまり、100%絶対確実に間違えたと知っていたわけではなく、
ましてや、何週間も前のこと、こういう風にして間違えました、
なんて言えるはずがない。

そんなことは記者たるもの十分わかっているはずで、
明確に言えないことを分かっていて質問しているとしか思えない。

再発防止策をマニュアルを作ればいいとは全く思っていないが、
防止策を検討する際、現在の手順を明確にして、
どこに問題があるのか、どこが間違いを犯しやすいのかを検討することは大事。

その際、事故には至らなかったものの、間違えそうになったとか、
間違えて気づいたとか、間違えやすいんじゃないかとか、
ミスにつながる可能性を明らかにするのは、重要なポイントになる。

しかし、記者会見でうろ覚えの間違った操作を追及することに
大きな意味があるとは思えない。

また、別の観点からも気になったことがある。

まず、言っておくが病院を擁護するつもりもないし、
提訴されたご夫婦を非難するつもりも全くないが、
もし、間違いに気付かず妊娠を継続し、
出産していたらどうなっただろう、ということ。

たまたま担当医が、変だな? と思って気づいたのだから、
変じゃなかったら気づいていなかったわけだ。

あってはならないことだが、
万が一、人工授精で妊娠して出産し、その後取り違えに気付いた場合、
人道的な見地もそうだし、法的にもどういう扱いになるのか。

また、「受精卵を無駄にされ、チャンスを失った」もう一人の女性もいるわけで、
そちらの女性にしてみれば、勝手に行われた代理妊娠みたいなもの。

関係者の意識、精神的肉体的ストレスを考えると、
より病院の倫理意識が問われる。

人工授精を止めろと言うことではないが、間違いがおこらないよう
実務上の扱いも法的にも、より厳格に運用されるべきと思える。
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