ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

プレSE奔走す 第7章 入札 (5)

2007-12-28 10:10:27 | 趣味
プレSE。

システム提案を行う、システム・エンジニア。
ニーズ分析、システムの企画提案を行う。
折衝力、説得力を必要とする。

SIER/IT企業志望者必読

***

「ところで、御厨さん。
 入札価格はどうするつもりなんですか。」

資料を整理しながら、管理課長の木下が聞いた。

「それなんだよね。
 一応さっきの金額で四十八ヶ月で考えて、
 六千万円を切ったところで行きたいんだけど。」

「そうそう。五七五〇なんてゴロがいいでしょう。」
松本が嬉しそうに言った。

「どうゴロがいいの。」
御厨は松本を見て聞いた。

「え。だって五、七、五じゃない。」

「五五五なら判るけど、五、七、五じゃね。」

「え。五五五でいいの。」

「だめだよ。五五五じゃ粗利赤じゃん。」

「なんだ。喜ばせないでよ。じゃ、五七五ね。」

「五七五〇ねえ。粗利三%ぐらいですね。」
御厨と松本のやり取りを木下がつないだ。

「四年もかかって粗利三%ねえ、きついなあ。
 粗利五%ならいくら? 」

「五八六〇万円くらいですかね。」
木下は電卓を叩きながら答えた。

「いいじゃん。あと、百万。」

「だめよ。百万違えば四十八ヶ月で5千万でしょ。
 五%は確保したい。」

「まあまあ、明日専務にうまく説明してください。
 五%より四十八ヶ月のほうがきつくないですかね。」

木下の言葉は核心を突いて、
御厨も松本も二の句が告げなかった。

会話は途切れた。

御厨も松本も四十八ヶ月のレンタルの承認を取ることが
難しいのはよく判っていた。

***

「プレSE奔走す」 ISBN4-434-07543-8 1200円
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