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きょうから100館程度に拡大公開になるようだが、(3/27公開のところもある)
当初は47館とやっているところが少なく、どこで見るか迷った。
結局はお台場のシネマメディアージュで鑑賞。
ここはTOHOシネマズ系なのに、シネマイレージの対象外。
さて、「ハート・ロッカー」
自慢ではないが、アカデミー賞を取る前から見たいとは思っていたが、
(自分自身の「2010年に見たい映画」にも入れている)
如何せん公開が3/6からでは、やってないものは見れない。
余談だが、「ハード・ロッカー」だと思っていた人が多いらしい。
私はHurt Lockerではなく、Heart Lockerだと思っていた。
**
第82回アカデミー賞、作品賞、監督賞他、合計6部門受賞作品。
アメリカでは進行中や近い戦争を扱った作品は当たらないと相場が決まっているが、
この作品も興収はそれほど目立つ存在ではなかった。
わずか4館からスタートし、最大535館まで拡大はしたが、ランキングは13位が最高。
アカデミー賞発表前後から再公開されているものの、万人が好んでみるタイプの映画ではない。
**
バグダッド。
ブラボー中隊は、任務終了まであと1月ほどに迫っていた。
爆発物処理班は3人で構成される。
実際に爆弾を解体する役目のトンプソン(ガイ・ピアース)、
警備担当のサンボーン(アンソニー・マッキー)、
技術者のエルドリッジ(ブライアン・ジェラフティ)の3人は今日も爆弾の処理に向かう。
しかし、処理中に爆破され、トンプソンは逃げ切れず爆死。
代わってやってきたのが、ウィリアム・ジェームズ(ジェレミー・レナー)
早速の爆弾処理の日。
ジェームズは、ロボット探査車を使わず、爆弾を処理、他の隊の隊長は感心するが、
サンボーンからは身勝手だと非難される。
別の日、トランクいっぱいの爆弾を積んだ車。
ジェームズはまたも危険を顧みないで行動する。
防爆スーツを脱ぎ、無線のヘッドセットも捨てて、ジェームズは起爆装置を発見し、外す。
サンボーンは手順を無視し、無線を外したジェームズに怒り狂う。
ジェームズは自分が解体し、爆破を回避した爆弾の部品を集めていた。
妻と息子がおり、離婚したつもりだが、まだ家にいるんだと語る。
戦場では特異な行動をとりながら、誰も相手にしない海賊版DVD売りの少年にも
優しく接する一面もあった。
サンボーンは、恋人がいるが子供はいない、まだ子供を持つ自信はないという。
エルドリッジは、戦闘の恐怖に参っていた。
軍医のメンタルなケアにも悪態をつく始末だった。
まだまだ爆弾処理は続く。
帰還まであとわずかだが、3人の危険度は一向に軽減されない。
果たして無事に任務を終えることはできるだろうか。
***
重い。
映画ではあるが、多分大部分が本当に起こっていることだろう。
巷間どういう評価が与えられているのかはわからないが「反戦映画」だとは思わなかった。
戦争という現実を直視し、イデオロギーとか宗教とか、歴史とか民族を越えて、
生と死、殺そうとする者に対峙し殺されまいとする者の葛藤をそのまま描いた。
少なくとも楽しい映画ではないし、何かを訴えるにしても、単純明快ではない。
おそらくはアメリカにおいてさえ万人受けはしないだろう。
なにより、敵の姿がはっきりとしない。
敵の姿は見えるのだが、その考えや感情や表情すらもはるか向こうにあって釈然としない。
正体のよくわからない実行犯を追うという意味では「キングダム」がそれに近いが、
あの映画も最後はラスボスに到達し倒すという点でははるかにわかりやすい。
2時間10分と長めの映画ながら、一つ一つのシーンが長く丁寧に描かれており、
別の見方をすれば、あまり金のかからない撮り方だなという感じもあった。
** 追記 **
本作を冒頭のキャプションに示される「戦争は麻薬」であることを訴えているとは思わなかった。
死に直面し悲壮感に打ちひしがれるサンボーンが戦士の気持ちを代弁としていると感じた。
そして、ジェームズは過酷な任務を終えて、安らぎのあるはずの家庭で疎ましがられる。
悲惨な体験を受け止めて癒してやるべき妻でさえ話を聞こうともしない。
自分は妻にとって大切な存在ではなくなってしまっている疎外感、孤独感。
少なくとも戦場では必要とされ、やるべきことがあったが家ではただの愚痴男扱い。
再び戦地へ向かったのは、男の美学でも家庭を顧みない独善でもなく、
本国にいる私たちのせいなのだと、言いたかったのではないでしょうか。
「戦争は麻薬」に関連付けるとすると、その麻薬から抜け出そうとする人に手を貸さず、
ジャンキーだと決めつけて再び麻薬に手を出させてしまうということなのかもしれません。
当初は47館とやっているところが少なく、どこで見るか迷った。
結局はお台場のシネマメディアージュで鑑賞。
ここはTOHOシネマズ系なのに、シネマイレージの対象外。
さて、「ハート・ロッカー」
自慢ではないが、アカデミー賞を取る前から見たいとは思っていたが、
(自分自身の「2010年に見たい映画」にも入れている)
如何せん公開が3/6からでは、やってないものは見れない。
余談だが、「ハード・ロッカー」だと思っていた人が多いらしい。
私はHurt Lockerではなく、Heart Lockerだと思っていた。
**
第82回アカデミー賞、作品賞、監督賞他、合計6部門受賞作品。
アメリカでは進行中や近い戦争を扱った作品は当たらないと相場が決まっているが、
この作品も興収はそれほど目立つ存在ではなかった。
わずか4館からスタートし、最大535館まで拡大はしたが、ランキングは13位が最高。
アカデミー賞発表前後から再公開されているものの、万人が好んでみるタイプの映画ではない。
**
バグダッド。
ブラボー中隊は、任務終了まであと1月ほどに迫っていた。
爆発物処理班は3人で構成される。
実際に爆弾を解体する役目のトンプソン(ガイ・ピアース)、
警備担当のサンボーン(アンソニー・マッキー)、
技術者のエルドリッジ(ブライアン・ジェラフティ)の3人は今日も爆弾の処理に向かう。
しかし、処理中に爆破され、トンプソンは逃げ切れず爆死。
代わってやってきたのが、ウィリアム・ジェームズ(ジェレミー・レナー)
早速の爆弾処理の日。
ジェームズは、ロボット探査車を使わず、爆弾を処理、他の隊の隊長は感心するが、
サンボーンからは身勝手だと非難される。
別の日、トランクいっぱいの爆弾を積んだ車。
ジェームズはまたも危険を顧みないで行動する。
防爆スーツを脱ぎ、無線のヘッドセットも捨てて、ジェームズは起爆装置を発見し、外す。
サンボーンは手順を無視し、無線を外したジェームズに怒り狂う。
ジェームズは自分が解体し、爆破を回避した爆弾の部品を集めていた。
妻と息子がおり、離婚したつもりだが、まだ家にいるんだと語る。
戦場では特異な行動をとりながら、誰も相手にしない海賊版DVD売りの少年にも
優しく接する一面もあった。
サンボーンは、恋人がいるが子供はいない、まだ子供を持つ自信はないという。
エルドリッジは、戦闘の恐怖に参っていた。
軍医のメンタルなケアにも悪態をつく始末だった。
まだまだ爆弾処理は続く。
帰還まであとわずかだが、3人の危険度は一向に軽減されない。
果たして無事に任務を終えることはできるだろうか。
***
重い。
映画ではあるが、多分大部分が本当に起こっていることだろう。
巷間どういう評価が与えられているのかはわからないが「反戦映画」だとは思わなかった。
戦争という現実を直視し、イデオロギーとか宗教とか、歴史とか民族を越えて、
生と死、殺そうとする者に対峙し殺されまいとする者の葛藤をそのまま描いた。
少なくとも楽しい映画ではないし、何かを訴えるにしても、単純明快ではない。
おそらくはアメリカにおいてさえ万人受けはしないだろう。
なにより、敵の姿がはっきりとしない。
敵の姿は見えるのだが、その考えや感情や表情すらもはるか向こうにあって釈然としない。
正体のよくわからない実行犯を追うという意味では「キングダム」がそれに近いが、
あの映画も最後はラスボスに到達し倒すという点でははるかにわかりやすい。
2時間10分と長めの映画ながら、一つ一つのシーンが長く丁寧に描かれており、
別の見方をすれば、あまり金のかからない撮り方だなという感じもあった。
** 追記 **
本作を冒頭のキャプションに示される「戦争は麻薬」であることを訴えているとは思わなかった。
死に直面し悲壮感に打ちひしがれるサンボーンが戦士の気持ちを代弁としていると感じた。
そして、ジェームズは過酷な任務を終えて、安らぎのあるはずの家庭で疎ましがられる。
悲惨な体験を受け止めて癒してやるべき妻でさえ話を聞こうともしない。
自分は妻にとって大切な存在ではなくなってしまっている疎外感、孤独感。
少なくとも戦場では必要とされ、やるべきことがあったが家ではただの愚痴男扱い。
再び戦地へ向かったのは、男の美学でも家庭を顧みない独善でもなく、
本国にいる私たちのせいなのだと、言いたかったのではないでしょうか。
「戦争は麻薬」に関連付けるとすると、その麻薬から抜け出そうとする人に手を貸さず、
ジャンキーだと決めつけて再び麻薬に手を出させてしまうということなのかもしれません。
スーパースローの高精細な映像表現には驚きました。ああいう使い方も出来るのかと。
先日バグダッドで爆弾テロがあり、そのニュース映像がテレビで流れていました。正直いって、その映像と本作と映像的には差が無いんですよ。現実と映画の境目が薄くなっている自分に怖さを覚えました。
「ワールド・オブ・ライズ」や「キングダム」でも一般人を巻き込んだ爆弾テロが描かれていましたが、爆弾テロは恐怖です。
最近の戦争映画は、リアリティ重視というか、到底お気楽には見れません。
昔のアメリカ万歳、敵はお馬鹿さん的戦争映画が懐かしくさえ思えます。
「いつ爆発しちゃうんだろう?」とか、「誰がテロリストだろう?」などと、終始、緊張して見ていられました。
戦争で味わった興奮や刺激が忘れられなくて現場復帰なんて、生き地獄のような感じもしますね。
楽しんでみるような内容ではありませんが、一人でも多くの方に戦争の実態を知ってもらえるといいですね。
話は変わりまして、評価方法の見直しを考えているんですが、KGRさんは、昨年の10段階と今年のおみくじ評価はどちらが良いですか?
ムチャ振りで恐縮ですが、率直な意見をお聞かせください
>昨年の10段階と今年のおみくじ評価
うーん、難しいところですね。
数字の方が分かりやすいですが、
おみくじの方が雰囲気は出ます。
どの評価をどの程度にするかもあるので、
一概には言えない気もします。
私自身はブログでは公開してませんが、(HPでは記載)
・大変よくできました
・よくできました
・もう少しです
・がんばりましょう
・ごめんなさい
の5段階にしてます。
「大変よくできました」と「ごめんなさい」は滅多につけません。
TBとコメントありがとうございます。
重苦しい内容の映画でしたが、戦場に立つ人間の気持ちがわかるような映画でした。
伊達にアカデミー賞で作品賞に選ばれていませんね。
KGRさんがおっしゃるように、「敵の姿は見えるのだが、その考えや感情や表情すらもはるか向こうにあって釈然としない」のが現代の戦争の特徴で、そんな戦場に若者を「送り返しているのは自分たちなんだ」ということなのでは、と思います。
とにかく、観客に過ぎない私たちが、ジェームズ軍曹らと一緒に、まるで戦場にいるかのように緊張感を強いられる映画でした。
本国での家族との触れ合い、団らん(のはずの)シーン。
数分もなかったと思いますが、戦地との対比が見事で、
印象に残りました。
あれが監督の言いたかったことなのではないか、と。
WW2の映画と違って敵が釈然としないのが中東の戦争映画の特徴ですね。
見えない敵を追い求めて戦場ですら孤独なのは「ジャーヘッド」でした。
帰還兵の苦悩、狂気を描く「マイ・ブラザー」(5月公開)を期待しています。
すっかり桜も満開になりましたが、随分寒い日が続きますよねぇ・・・
映画ですが、とても感想が難しかったです。
>戦争という現実を直視し、イデオロギーとか宗教とか、歴史とか民族を越えて、
生と死、殺そうとする者に対峙し殺されまいとする者の葛藤をそのまま描いた
そうなのでしょうね。
どこか突き放した感じながら、そのまま描いていて、それにガツンとやられてしまいました。
上手く感想がひねり出せませんでしたが(汗)、凄い映画だったと思います。
私もうまく表現できませんが、良い映画でした。
現在進行形の戦争を扱った映画はヒットしないのは定説(勝手に決めた)ですが、
この映画は反戦やら厭戦やらが強調されていないのがよかったんだと思います。
と言っても、結局この映画も興行的には受けてないんですけど。