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新型コロナウィルス、数字の一つの見方

2020-04-25 00:43:14 | 闘病・治療
マスメディアでは、累計感染者数、累計死者数が大きく報じられる。
また、全国の数字より東京の状況が殊更に大きく報じられている。

ある意味それは仕方がない。
人口では全国の1割ほどの東京だが、日々の感染者数でも累計の感染者数でも1/4から1/3ほどを占める。
何より日本の顔であり、善きにつけ悪しきにつけ日本を代表する。

ただ、数字そのものは事実を伝えるものだとしても、それを読み解くのは難解でいろいろな分析や評価が存在する。
たとえは最近言われたものではPCR検査の陽性者率。
もともと少ないと言われている日本のPCR検査。
感染が相当疑わしい場合しかしてもらえないと言われてきた。
一方で、その割には陽性率が低いともいわれていたが、ここへきて陽性率が高止まり(特に東京で)しているらしい。

ある大学の(詳細失念)研究者によれば、陽性率の低い国ほど死亡率も低い傾向があり、積極的に検査をする方が
軽症の段階で感染者を検知でき、結果として重症化や死亡に至ることを防げる、と言うことのようだ。

各国それぞれの事情があり、どこどこの国ではこうこう、というのがどれほど意味があるのか疑問な私だが、
その話だけを聞くとさもありなん、と言う気がする。

ところで、以前もここで数字を比較するなら国の人口を考慮しないとおかしいのでは? と書いたことがあるが、
具体的には例えばいま最も死者数の多いのはアメリカで感染者は90万人に届きそうだし、死者はほぼ5万人。
しかし、国の人口との比較をすれば、死者数がアメリカの1/12のオランダや、さらにその半分のスウェーデンの方が、
国民一人当たりの死者数ではアメリカよりずっと悪くなっている。


グラフで最も悪いベルギーは、死者数は約6500人だが、人口が1100万人余りで、100万人当たりの死者は571人。
日本にあてはめると7万人ほどとすさまじい数字になる。

死亡率を見てみると、国ごとの順位や数字そのものにはどこまで正確かは疑問を感じているが、トレンドは見てとれる。


先々のグラフの変動を見越して国を選定したわけではないので、死亡率だけで見れば、もっと適切な国があったかもしれない。
ところどころグラフが突出しているのは、おそらくは私の死者数の転記ミスで跳ね上がったりしただけだと思ってほしい。

患者数が少ない時点では、少しの死者数の増減で率が大きく変わるし、感染と死亡にはおのずとタイムラグがあるので、
感染急拡大時期にはむしろ死亡率が下がり、感染者の拡大が落ち着いてきたら死亡率が上がっていく可能性もあるが、
最も悪いのはフランスで約18%。患者の18%、5人に一人弱が亡くなる計算だ。

通常のインフルエンザの死亡率が0.1%と言われるので、その180倍の致死率と言うことになる。
日本はこれよりはるかに低いがそれでもインフルの20倍と高率であることに変わりはない。

これらのグラフも元の数字が正しい前提で作ったものだが、そもそも元の数字が怪しいので、どこまで正確というか
正確に実態を反映しているのかは疑わしい。

何度か書いたが、死者数には自宅で死亡した人は入れてないとか、肺炎での死亡が疑われる場合でも、検査してないと入れてないとか、
意図的かどうか関わらず、違っているケースもある。

先日中国では死者のカウントの仕方を間違っていたとかで1000人以上が突如追加されたし、
ニューヨークではすでに死亡し、検査していない人について、今まではカウント除外していたが、今後は医師が所見で
「新型コロナウィルスによる肺炎」と書いた場合は、数字に加えることにした、とかなどとにかく数字が怪しい。

日本の数字にしてもレコードチャイナの数字と、JX通信社、東洋経済、NHKなどで数字が違う。
日々の数字の締めの時間や調べ方の違いもあるだろうが、何が正しいのかわからなくなる。

先ほど検査での陽性率の影響と言うか効果と言うかそれを分析した研究者がいると書いたが、今現在、あるいは直近の
ごく近い将来のために行わなければならない分析評価と、今後同様の感染症の発生に備えるための分析があるだろうが、
気になるのは、死者数、死亡率、人口当たりの死者数などでヨーロッパ諸国が上位に来ている点だ。

メディアではすぐにヨーロッパの対策がまるで素晴らしいかのようにどうのこうのいうが、死亡率を見る限りにおいては
とても見習えるものではない。

ここは今すぐでなくてよいので、純粋に疫学的にどうだったのかを評価分析することはいずれやってほしい。
雰囲気や憶測や感覚的なイメージではなく、科学的に意味のある分析が必要で、メディアには是非それをフォローするというか、
いずれ明らかになった暁には取り上げることを忘れないでいてほしい。
時の政府をこき下ろすだけがリベラルな報道姿勢とは言えまい。

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