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需要予測はほんとに予測?

2010-03-11 15:18:49 | 政治経済
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空港20法人、蓄財290億円 天下り738人受け入れ(朝日新聞) - goo ニュース

茨城空港が開港=定期便2路線、需要拡大が課題(時事通信) - goo ニュース

国内98番目、茨城空港が開港 経費削減でも赤字必至(朝日新聞) - goo ニュース

問題はいくつもあって、ちょっと言いきれないくらい。

需要予測が結果として甘すぎたのは、いろいろ理由があるでしょう。

時代の推移を読み違えた、不景気のせい、あるいは当初想定していなかった何か。

もちろんこれらは好意的に解釈したものですが、思ったより少なかったね、で済めば
こんなお気楽なことはない。

それでも予測の9割とかならまだしも、半分なんかは可愛い方で、2割以下もある。
2割以下を別の言い方をすれば、5倍以上の水増しだ。

茨城空港の当初約80万人、何年か前の見直しで約60万人も現在の就航予定から見ると、
20万人弱が精一杯だというから、需要拡大が課題といってもあまりにも違いすぎる。

過大な需要予測をカバーする設備を維持するのに莫大な金がかかるから、当然大赤字。

需要予測が大甘なのは何も空港に限ったことではなく、高速道路もそうだし、ダムもそう。
ホールや体育館やなんとか館といった類、あるいは簡保の宿なんかもそうなんじゃないか。

全てがそうではないにしても、大方の方がそう思っているし、そういう指摘もあるが、
結論ありきじゃないのか。

つまり、空港にしろ、ホールにしろ、道路にしろ、「これくらいのものを作りたい」
というのが最初にあって、それを維持するには、あるいは償還していくには、
これくらいの需要がないといけないという数字を立てていく。

仮にその需要がすぐ望めないとしたら、需要に見合うように将来の伸びを予測する。

そこにはかなりの恣意的な無理繰り予測がまかり通る。

それでもどうしても無理があれば、「計画をやめる」のではなく、
ぎりぎり作られた需要に合わせた規模に縮小して再び計画を練り直す。

こうして「作るために計算された予測」が狂うのは当然ともいえる。

もちろん、これは私の勝手な邪推。

賢明な高級官僚の皆さんは、しっかりした推計に基づいて将来予測をされたのでしょうが、
冒頭述べたように、予想外の何か、想定外の原因要因によって予想が狂ったのでしょう。

ところで、問題はまだあって、
需要予測がはずれても赤字垂れ流しでなければまだいいが、
逆に需要予測が当たっていても赤字のところもあるらしい。

結局は税金で補てんするから、やっていけるだけ。

最近よく「民間ならつぶれている」という表現を用いる人が政治家にも見られるが、
この指摘は必ずしも的を得ていない。

(「的を得る」は「的を射る」の誤用という説があるのは承知しているが、
 「的を射る」こそ「的を得る」の誤用という説もある)

つまり公共インフラなど採算の取れないものの中には、採算を度外視して作るべきものもあり、
採算性の高いものは逆に官がやるべきではない、民に任せればいいのだ。

例えば公園、緑道は元々採算を考えるものではないし、
美術館やホールなどは文化振興の観点から赤黒関係なく維持すべきものともいえる。

とはいっても、必要な金は使うにしても、無駄な赤字は削減すべきであって、
例えば、何もしないで高給を取る天下り理事がいたとすれば、それは削らねばならない。

このように必要なものの赤字はある程度しょうがないが、必要もないのに作って
維持費で首が回らなくなる愚はもう止めてほしい。

で、空港ではまだ問題があって、こうして多くの空港が赤字で苦しんでいるのに、
そこで半ば独占的に営業している天下り法人の多くが真っ黒けなのはどういうわけだ。

天下りを食わせるために作ったものばかりではないだろうが、独占的な法人に
金をつぎ込んだ挙句赤字になってさらに税金を突っ込むという矛盾。

民間ならとは言いたくはないが、親会社が赤字の時には、子会社の責任でなくても、
激しい値下げ要求に晒されるのが民間だ。
コストダウン、コストカットには当然子会社に支払う経費も含まれる。

需要予測に従って物が作られ維持管理が計画され、現実には国は干上がって天下りは潤う。
なんか変
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