怒り心頭に「達する」7割 文化庁の日本語調査 (共同通信) - goo ニュース
「怒りが心の底から湧きあがってくる」から、「怒り心頭に発する」のであって、
「怒りで頭に血が上る」から「怒り心頭に達する」のではない。
「発する」と「達する」を間違っているというより、
「心頭」が頭だと思っているところに間違いの発端がある。
「心頭」は心と頭ではなく心のことで、
「心頭滅却すれば火もまた涼し」の「心頭」だ。
現代人は心が心臓ではなく「脳」つまり頭によるものだと知っているから、
心頭が頭だと思っちゃうんだろうな。
実際にTVで見る限り街中でも「怒り心頭に達する」と答えた人が多い。
しかし、文化庁の言うように「あまり使わなくなった結果」というよりも
「まったく使わない」「聞いたことすらない」からではないか。
ここで私が問題にしたいのは、
75%の人が間違って覚えていることよりも、
またしても一般人の無知をあざ笑うかのようなステレオタイプな報道だ。
この報道の仕方には、怒り心頭に発するを通り越して、怒髪天を衝く思いだ。
私は「発する」が正しいと知っていたが、この言葉をいつ使ったか思い出せない。
だからといって自分が物知りだとも思わないし、知っていて得したとも思わない。
ところで、「愛嬌を振りまく」と「愛想を振りまく」は、
この用法では「愛嬌」が正しい。
「愛想」はあいそがつきる、おあいその「あいそ」だ。
ただし、愛想を「あいそう」と読んでも間違いではないし、
辞書によれば、「愛嬌」の説明で、
>2)好ましさを感じさせたり、笑いを誘うような言動や表情。愛想。
>「―を振りまく」「ご―に舞をひとさし」「空振りもほんのご―さ」
>三省堂提供「大辞林 第二版」(goo辞書より)
とあるから、「愛想を振りまく」でもあながち間違いとは言えまい。
言葉は変化するものだ。
意味が変わるものや用法が変わるものもある。
新しい言葉が生まれ、使われなくなる言葉が出る。
使われなくなった(なりつつある)言葉を知らないからといって、
「無知だ」「だから今の若い者は」などと言えるだろうか。
大衆に迎合しているというか、無批判に報道しているというか、安直に過ぎる。
ひょっとして「咀嚼する」という言葉を知らないのか。
*
関連して、敬語に言及した局があった。
著名人が敬語のつもりで「申しました」と言うのを聞くといつも苦々しい思いだが、
事例として「社長が申しました。」を間違いだと指摘していた。
社長は目上だから謙譲語ではなく敬語を使うべきだ、と。
しかし、これが絶対間違いとは言いきれない。
誰に対して言っているかが判らないからだ。
第三者に対して「社長が言った」というのなら「社長が申しました」が正しいし、
社長より目上の例えば会長(社長のオヤジで先代社長なんてよくある)に言うのなら、
やっぱり「社長が申しました」でしょう。
「怒りが心の底から湧きあがってくる」から、「怒り心頭に発する」のであって、
「怒りで頭に血が上る」から「怒り心頭に達する」のではない。
「発する」と「達する」を間違っているというより、
「心頭」が頭だと思っているところに間違いの発端がある。
「心頭」は心と頭ではなく心のことで、
「心頭滅却すれば火もまた涼し」の「心頭」だ。
現代人は心が心臓ではなく「脳」つまり頭によるものだと知っているから、
心頭が頭だと思っちゃうんだろうな。
実際にTVで見る限り街中でも「怒り心頭に達する」と答えた人が多い。
しかし、文化庁の言うように「あまり使わなくなった結果」というよりも
「まったく使わない」「聞いたことすらない」からではないか。
ここで私が問題にしたいのは、
75%の人が間違って覚えていることよりも、
またしても一般人の無知をあざ笑うかのようなステレオタイプな報道だ。
この報道の仕方には、怒り心頭に発するを通り越して、怒髪天を衝く思いだ。
私は「発する」が正しいと知っていたが、この言葉をいつ使ったか思い出せない。
だからといって自分が物知りだとも思わないし、知っていて得したとも思わない。
ところで、「愛嬌を振りまく」と「愛想を振りまく」は、
この用法では「愛嬌」が正しい。
「愛想」はあいそがつきる、おあいその「あいそ」だ。
ただし、愛想を「あいそう」と読んでも間違いではないし、
辞書によれば、「愛嬌」の説明で、
>2)好ましさを感じさせたり、笑いを誘うような言動や表情。愛想。
>「―を振りまく」「ご―に舞をひとさし」「空振りもほんのご―さ」
>三省堂提供「大辞林 第二版」(goo辞書より)
とあるから、「愛想を振りまく」でもあながち間違いとは言えまい。
言葉は変化するものだ。
意味が変わるものや用法が変わるものもある。
新しい言葉が生まれ、使われなくなる言葉が出る。
使われなくなった(なりつつある)言葉を知らないからといって、
「無知だ」「だから今の若い者は」などと言えるだろうか。
大衆に迎合しているというか、無批判に報道しているというか、安直に過ぎる。
ひょっとして「咀嚼する」という言葉を知らないのか。
*
関連して、敬語に言及した局があった。
著名人が敬語のつもりで「申しました」と言うのを聞くといつも苦々しい思いだが、
事例として「社長が申しました。」を間違いだと指摘していた。
社長は目上だから謙譲語ではなく敬語を使うべきだ、と。
しかし、これが絶対間違いとは言いきれない。
誰に対して言っているかが判らないからだ。
第三者に対して「社長が言った」というのなら「社長が申しました」が正しいし、
社長より目上の例えば会長(社長のオヤジで先代社長なんてよくある)に言うのなら、
やっぱり「社長が申しました」でしょう。
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