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「選択制夫婦別姓」について

2021-10-22 10:23:34 | 手続き
今度の選挙の目玉ではないが、総裁選でも言われた夫婦別姓、選択制夫婦別姓制度。
あなたは賛成ですか、反対ですか。

先日、日本記者クラブで行われた党首討論会では、自民党以外の8党が夫婦別姓法案提出に賛同したそうです。

私はどちらでもない。
それは消極的な意見ではなく、夫婦別姓にする場合の制度について語られていないからです。
つまり、夫婦別姓を法律上どのように規定するのかが分からないと良いも悪いもないと思います。
賛成した各党党首はこの制度そのものをどのようにとらえているのでしょう。

メリット、デメリット多くが言われています。
デメリットでよく言われるのは、子供が混乱するとか、親子で姓が違うのはややこしいとか。
しかし、夫婦別姓を取っている国はたくさんあり、その国で子供が混乱しているとか、ややこしいとは聞きません。
要は慣れでしょう。

私が気になっているのはどういう規定になるのか、です。
多く取り上げられているのは「選択制夫婦別姓」なので、夫婦同姓も夫婦別姓も選べる。
一見便利ですが、そもそも何のために別姓にしたいか、別姓にする必要があるのかがよくわからない。

仕事の継続性、改姓に伴う各種手続きの煩雑さなどが言われます。
夫婦のうち、妻だけに負担がかかるのは不公平だ、という意見もあります。

法的には夫婦どちらの姓を名乗っても良いことになっていますが、圧倒的多数は夫となる人の姓を選択します。
妻となる人の姓を名乗った場合、妻が戸籍筆頭人となり戸籍がある限り(戸籍筆頭人が死亡しても)変わりません。
妻が戸籍筆頭人だと婿養子だと思われて肩身が狭い、なんて人はいまだにいるんでしょうか。

とはいえ、私の知人友人でも妻の姓を名乗っている人は大勢います。
珍しい苗字の人が普通の苗字になってしまうと他人事ながらもったいない気がするのは私だけでしょうか。

夫の死亡で旧姓に戻す人もいますが、手続きが煩雑です。
昔は紙の戸籍だったので、結婚/離婚で戸籍から抜けた場合、旧戸籍に×印がつけられました。
元の戸籍に戻れば×の横にまた名前が書かれるので、バツイチ、などと言われた所以です。

姓が変わると結婚した、離婚したがわかってしまい、プライバシー上よくないと言う意見もあります。
仕事上姓が変わると特に対外的に不便ということもあります。

仕事上不便という人は一体いつまでお仕事をなさるおつもりなんでしょう。
逆に仕事を引退された後も旧姓のままでいて不便はないんでしょうか。

制度設計がどうなるかわからないと言うのはまさにそこにあります。
現在の戸籍法では、婚姻の際にどちらの姓を名乗るかを決めて新しい戸籍が作られますので、
婚姻で姓が変わるのは一回限り。
(前述のように、離婚や死別で旧姓に戻すことは可能)

選択制夫婦別姓の場合、別姓を選択したものの、時間経過とともに同姓にしたくなった場合、変更は可能なのか。
あるいはその逆で、同姓を選んだが別姓にしたくなったらできるのか。

変更できないとしたら、同姓/別姓を選択したことを後悔することにならないか。
変更できるとすれば何回出来るのか。1回だけか。複数回か。

今の制度では離婚した場合、子供の姓を変更するのはかなりの手間らしいです。
夫婦別姓で子供が旦那の姓を名乗っていて、離婚した場合に子供の姓を元妻の姓にしたい場合どうなるのか。

なんとなく個人の権利とか、男女平等とか表面的なことだけでなく、別姓にできるならそれでも良いけど、
法的にどういう別姓の在り方を考えているのかまで明らかにしてほしい。

夫婦別姓は可能になったけど、手続きや運用がかなり面倒で実質的に同姓に誘導するようなものなら意味はない。
各党の思惑も違っているのかもしれない。
国会議員は法律を作る立場だから、我が党の夫婦別姓はこういう仕組みだ、ぐらいありそうなもんですけどね。

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