ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

住民税は後払い

2021-11-01 14:06:50 | 政治経済
ご主人が離婚直前に自殺してしまい、いろいろ費用が掛かった方の話を読んで気になった部分があった。
離婚/自殺に至る経緯や、賃貸物件の後始末で大金を請求され交渉した話とかは、この際関係ない。

気になったのは、次の部分。

「そして夫の住民税もかかりました。住民税は何月に死のうが、全年払いになると、そのとき初めて知りました」
全年払いとはつまり1月1日に生きていたら、その年の12カ月分は支払わなければならないということだ。
夫が亡くなった時期を考えると、半年以上分の住民税を納めなければならなかった。

所得税はその年の収入で毎月払っているから、収入がなくなれば払わないのに、住民税は・・・。
と思っているあなた、それは間違いです。

確かに給与所得者は毎月給与から所得税と住民税を天引きされている。
しかし、所得税も住民税も本来収入が確定しないと金額が決まらない。
所得税は(取りっぱぐれないように)前年の収入から類推して料率を決め、仮の金額で徴収しているだけ。
だから、その年の給与全額が決まる12月に再計算して差額を徴収、もしくは還付している。
これが年末調整。
所得税の給与天引きを受けない人や、給与以外に収入があったり、計算外だった控除があれば
翌年に確定申告をして、所得税を確定させ過不足を精算することになる。
簡単に言えば、所得税も前年の所得に応じて支払うので後払いの一種といえる。
毎月の給与から仮徴収しているのでその年の収入からきちんと計算されていると思っているだけ。

住民税もそういう計算ならいいが、仮徴収はなく前年の所得が確定してから計算される。
所得税の確定申告期間が終わって、収入が確定してから自治体に連絡が行き、その後税額が決まる。
住民税額が確定した以降の6月から給与所得者は給与、一部の年金受給者は年金から支払いの都度引かれる。
そうでない人には本人に通知が行き、4回の分割払いとなる。
天引きなら本人に面倒はないが、分割払いは面倒、煩わしい、となれば一括払いもできる。
(昔は一括割引もあったが今はどこもやってないそうだ)

「その年の12カ月分」を払うのではなく、もともと1年分を分割で払っているだけ。
「半年以上分の住民税を納めなければならなかった」わけではなく、分割払いの未払い分を払うだけ。
つまり支払うべき税額は変わらず、それをどう払うかが違うだけ。

住民税はその年の1月1日に住んでいた自治体の税なので、1月1日までに死ねば、
前年にいくら収入があっても課税されない。
1月2日に死ねば、住民税は課税される。(今思いついたけど、ミステリーのネタになりそう)

また、相続放棄をすれば住民税は免除される。
但し、負の遺産(借金や未納の税)だけを選択的に放棄することはできない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« MLBプレーオフ2021、... | トップ | 総選挙結果に思う »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

政治経済」カテゴリの最新記事