![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/0d/5515c361348af12051f247cec9539286.jpg)
2018/5/4 109シネマズ木場。
1番スクリーン。
公開初日の休日とあって、良い席はとっくに埋まっており、中央通路前のF列を選択。
*
櫻井翔、福士蒼汰、広瀬すず、豊川悦司、リリー・フランキー、TAO
*
何年か前、小さい女の子を自転車の後ろに乗せて走る女性(檀れい)
逃げきれないと思い、倉庫に入って、娘を地下に押し込める。
しかし、自分は竜巻に巻き込まれて死ぬ。
*
赤熊温泉で観光客の硫化水素による中毒死が発生した。
死亡したのは映像プロデューサーの水城義郎。
保険金殺人を疑う中岡刑事(玉木宏)だが、検証を依頼された青江修介教授(桜井翔)は、
他殺は考えられないと結論付ける。
現場には「ラプラスの魔女」と名乗る女性(この時点では名前不明、広瀬すず)が現れた。
1月ほどして苫手温泉でまたしても硫化水素中毒死があった。
今度の被害者は俳優の那須野五郎。
現場を見た青江は今度も事故や他殺はあり得ないと考えた。
青江は旅館でまた不思議な若い女性と会う。
女性は羽原円華と名乗り、現場を見たいと言い張る。
一見何の関係もない映像プロデューサーと売れない俳優。
中岡刑事は映画監督の甘粕才生(=あまかすさいせい、豊川悦司)を介して接点があったと知る。
甘粕には娘が硫化水素で自殺を図った過去があった。
娘と共に妻が巻き添えで死に、息子の謙人(福士蒼汰)も意識不明の重傷だった。
時と場所を隔てて起こった硫化水素中毒死事件。
果たしてそれらは偶然なのか、それとも関連があるのか。
羽原円華とはいったい何者なのか、中岡刑事が執拗に追う事件の真相は。
青江の推理は事件の謎を解明できるのか。
*
監督が三池崇史だとは、知らなかったので、一瞬こんな映画も撮るんだ、と思った。
個人的には暴力やホラーの印象が強いが、実際には多種多様な映画を撮っている。
硫化水素による死亡事故が実は殺人だった、というのはつい先日「相棒10」第9話の再放送で、
教授が高濃度の硫化水素を含む錠剤で即死する事件があったばかりなので、
桜井翔が「屋外で硫化水素殺人は不可能」と言った時に思わず「できるよ」と心の中で叫んでしまった。
*
硫化水素濃度が0.00041ppmを超えると、臭い、いわゆる硫黄臭がする。
大気汚染防止のの規制値は0.02ppm。
労働環境における規制値は1ppmで、5ppmが安全衛生上の限界値となっている。
0.005%(50ppm)を超えるとむせ返るので、危険は察知できるはずだが、
濃度が0.01%(100ppm)を超えると嗅覚を麻痺させ、臭いに気づかず吸い込んでしまう。
その結果、一酸化炭素中毒などと同様に血液の酸素運搬能力が著しく損なわれ、
昏倒、もしくは全身麻痺を起こし、0.02%(200ppm)を超えると窒息死に至る。
なお、0.1%(1000ppm)超えると即死と言われる。(Wiki参照)
この場合、遺体に大きな変化は見られず、死因が即座にはわかりにくいようだ。
一方、致死濃度ではあるが、時間を掛けて死に至った場合は、窒息死で相当苦しいようだ。
硫化水素が血中の鉄分と結合して硫化鉄を生成するので、遺体が緑色になると言われている。
本作の場合、那須野と水城は比較的きれいな遺体だったようなので即死状態。
一方、甘粕の妻や娘は苦悶して死んでおり、緑色に変色していたものと思われる。
*
公安と羽原のボディガードの違いが分かりにくかった。
桐宮怜(TAO)はどっちでしたっけ?
TAO(岡本多緒)の初見は「ウルヴァリン:SAMURAI」のヒロイン、真理子役。
「マンハント」では序盤に殺される田中希子だった。
*
青江修介は専門分野は違うものの同じ東野圭吾作の「ガリレオ」シリーズの湯川学を強く感じた。
同じ東宝配給でもあり、シリーズ化を狙っているのか、とも思ったが、如何せん原作に乏しい。
この春に前日譚である短編集「魔力の胎動」が出たばかりだし、映画化にはちょっと難しいようだ。
*
詳しくは述べないが「ラプラスの悪魔」は、ラプラス自身が言った言葉ではなく、
後にデュボア・レイモンがそう呼んだもの。
古典物理における決定論の極致ともいうべき考え方で、ある時点でのすべての状態が
完全にわかっていれば、未来の状態も完全に計算(予測)できる、というもの。
だが、現実には自然界のあらゆる現象を絶対的に正確に(誤差無しで)観測することはできず、
ほんのわずかな誤差も自然界のあらゆる場面に存在する非線形な法則の元ではカオス的に増幅し、
未来においては著しい誤差となってしまう。
また、不確定性原理により、あらゆる状態値を同時に確定させることは
(観測するしないに関わらず)原理的にできないので、
厳密な意味での「ラプラスの悪魔」は存在しえない。
ただ、量子力学や、相対論の時代においてもニュートン力学がほぼ正確に成立し、
例えば速度の単純加算が間違いとは言えないように、ラプラスの悪魔も
一定の誤差の範囲の短期的なものであれば、ほぼ完全に予測はできると言える。
つまり、近似的な「ラプラスの悪魔」は存在し得るともいえる。
1番スクリーン。
公開初日の休日とあって、良い席はとっくに埋まっており、中央通路前のF列を選択。
*
櫻井翔、福士蒼汰、広瀬すず、豊川悦司、リリー・フランキー、TAO
*
何年か前、小さい女の子を自転車の後ろに乗せて走る女性(檀れい)
逃げきれないと思い、倉庫に入って、娘を地下に押し込める。
しかし、自分は竜巻に巻き込まれて死ぬ。
*
赤熊温泉で観光客の硫化水素による中毒死が発生した。
死亡したのは映像プロデューサーの水城義郎。
保険金殺人を疑う中岡刑事(玉木宏)だが、検証を依頼された青江修介教授(桜井翔)は、
他殺は考えられないと結論付ける。
現場には「ラプラスの魔女」と名乗る女性(この時点では名前不明、広瀬すず)が現れた。
1月ほどして苫手温泉でまたしても硫化水素中毒死があった。
今度の被害者は俳優の那須野五郎。
現場を見た青江は今度も事故や他殺はあり得ないと考えた。
青江は旅館でまた不思議な若い女性と会う。
女性は羽原円華と名乗り、現場を見たいと言い張る。
一見何の関係もない映像プロデューサーと売れない俳優。
中岡刑事は映画監督の甘粕才生(=あまかすさいせい、豊川悦司)を介して接点があったと知る。
甘粕には娘が硫化水素で自殺を図った過去があった。
娘と共に妻が巻き添えで死に、息子の謙人(福士蒼汰)も意識不明の重傷だった。
時と場所を隔てて起こった硫化水素中毒死事件。
果たしてそれらは偶然なのか、それとも関連があるのか。
羽原円華とはいったい何者なのか、中岡刑事が執拗に追う事件の真相は。
青江の推理は事件の謎を解明できるのか。
*
監督が三池崇史だとは、知らなかったので、一瞬こんな映画も撮るんだ、と思った。
個人的には暴力やホラーの印象が強いが、実際には多種多様な映画を撮っている。
硫化水素による死亡事故が実は殺人だった、というのはつい先日「相棒10」第9話の再放送で、
教授が高濃度の硫化水素を含む錠剤で即死する事件があったばかりなので、
桜井翔が「屋外で硫化水素殺人は不可能」と言った時に思わず「できるよ」と心の中で叫んでしまった。
*
硫化水素濃度が0.00041ppmを超えると、臭い、いわゆる硫黄臭がする。
大気汚染防止のの規制値は0.02ppm。
労働環境における規制値は1ppmで、5ppmが安全衛生上の限界値となっている。
0.005%(50ppm)を超えるとむせ返るので、危険は察知できるはずだが、
濃度が0.01%(100ppm)を超えると嗅覚を麻痺させ、臭いに気づかず吸い込んでしまう。
その結果、一酸化炭素中毒などと同様に血液の酸素運搬能力が著しく損なわれ、
昏倒、もしくは全身麻痺を起こし、0.02%(200ppm)を超えると窒息死に至る。
なお、0.1%(1000ppm)超えると即死と言われる。(Wiki参照)
この場合、遺体に大きな変化は見られず、死因が即座にはわかりにくいようだ。
一方、致死濃度ではあるが、時間を掛けて死に至った場合は、窒息死で相当苦しいようだ。
硫化水素が血中の鉄分と結合して硫化鉄を生成するので、遺体が緑色になると言われている。
本作の場合、那須野と水城は比較的きれいな遺体だったようなので即死状態。
一方、甘粕の妻や娘は苦悶して死んでおり、緑色に変色していたものと思われる。
*
公安と羽原のボディガードの違いが分かりにくかった。
桐宮怜(TAO)はどっちでしたっけ?
TAO(岡本多緒)の初見は「ウルヴァリン:SAMURAI」のヒロイン、真理子役。
「マンハント」では序盤に殺される田中希子だった。
*
青江修介は専門分野は違うものの同じ東野圭吾作の「ガリレオ」シリーズの湯川学を強く感じた。
同じ東宝配給でもあり、シリーズ化を狙っているのか、とも思ったが、如何せん原作に乏しい。
この春に前日譚である短編集「魔力の胎動」が出たばかりだし、映画化にはちょっと難しいようだ。
*
詳しくは述べないが「ラプラスの悪魔」は、ラプラス自身が言った言葉ではなく、
後にデュボア・レイモンがそう呼んだもの。
古典物理における決定論の極致ともいうべき考え方で、ある時点でのすべての状態が
完全にわかっていれば、未来の状態も完全に計算(予測)できる、というもの。
だが、現実には自然界のあらゆる現象を絶対的に正確に(誤差無しで)観測することはできず、
ほんのわずかな誤差も自然界のあらゆる場面に存在する非線形な法則の元ではカオス的に増幅し、
未来においては著しい誤差となってしまう。
また、不確定性原理により、あらゆる状態値を同時に確定させることは
(観測するしないに関わらず)原理的にできないので、
厳密な意味での「ラプラスの悪魔」は存在しえない。
ただ、量子力学や、相対論の時代においてもニュートン力学がほぼ正確に成立し、
例えば速度の単純加算が間違いとは言えないように、ラプラスの悪魔も
一定の誤差の範囲の短期的なものであれば、ほぼ完全に予測はできると言える。
つまり、近似的な「ラプラスの悪魔」は存在し得るともいえる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます