峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

2007年 故郷からのおくりもの ~ 千葉三越8階催事場

2007年01月31日 16時53分13秒 | ○○展の話
コメント欄でも書きましたように、昨日は チバ!まで行きました。
 車でチョイトそこまで…と行けた入間市博物館と比べて、電車に乗って2時間半。
 
そういえば子どもの頃は、その先の館山に毎夏のように海水浴に行ったっけ。
シュッポシュッポと、蒸気機関車で…。
などと思いながら、やっと辿り着いたチバ!は、都会でした。

平日の昼頃でも、人形展はたくさんの人が入っていました。

入間市博物館のときはガラスケースに入っていた人形も、今回はすぐ近くで見ることが出来ました。

入間市博物館では展示されていなくて、今回初めて見た人形もいくつかありました。
【にらめっこ】 はおじいちゃんと孫のにらめっこ勝負。
間に置かれたダルマが、なんとも良い表情でおじいちゃんに向かって ‘かち’ と書かれた旗を揚げています。
うん。たしかにこの顔はおじいちゃんの勝ち 
近くにいた女性が、連れに、「来て良かったねえ。 ホント、笑顔が出ちゃうねえ」
と言っているのを聞いて、頷いてしまいました。

【自転車に乗っているおじいちゃんと孫と犬】 も、初めてだと思います。
カゴにちょこんと乗った犬は可愛いし、自転車もよく出来てること 
自転車は、まゆみさんのブログでよくお目にかかる、‘暇なおじさん’ の作だそうです。
拍手~。


【瞽女(ごぜ)】 は、入間市博物館でも見たけれど、一緒にあった三味線を弾く盲目の老女は初めてでした。
他の人形と少し違う顔立ちで、一段とリアルな感じがしました。
それまでの人生の重さや、背後に東北の自然までが想像される姿でした。

そして、「母」という文字の下に飾られた、【からっぽの碑】 。
地味な、どこにでもいるような初老の女性が、手ぬぐいを手に立つ姿。
その目は、強烈でした。
凄みがありました。

人形の前に書いてある文章には、「からっぽの碑を見つめて」 とか、「怒り」 という言葉はあったように思いますが、(よく覚えていなくてすみません) 詳しい説明はありません。

作者である高橋まゆみさんのブログコメントによると、原爆の写真展で、家族を亡くした母親の目を見て、動けなくなったとのこと。
それを人形にしたそうです。

あの目。 
身体全体から放つ、怒りと悲しみ。

まゆみさんのコメントによると、
「被災者は見たくも無い・・・思い出したくも無い・・・と思うかもしれない・・・そんな思いもあった中で、展示しました。」
という配慮をなさっていますが、あの人形を作らせたものは、作者の中に存在する強い正義感ではないでしょうか。

【からっぽの碑】 の人形は、静かな、そして確かな反戦メッセージであると思います。


       

さて、ゆっくりと人形展を楽しんだあと、ちょっと蕎麦でも食べていこうかな…と思いましたが、時間がありません。
デパートの地下で、話題の ‘銚子ぬれせんべい’ を土産に買って、
駅までの道を2度聞いて、(駅前ったって、反対方向に歩き出せば悲惨な目に遭う)
無事に家まで帰り着きました。 
ばんざーい。



    追 記  

高橋まゆみさんの過去記事はこちら。

2006年  8月 7日

2006年 10月13日

2006年 11月30日