踏み出す

静寂の中で

聴こえてくるのは風の音

春の嵐の風の音

外では花粉やらなにやら風が撒き散らしているのかな

部屋では時計の音が大きく響いている

部屋が静かになればなるほど

時計の音は大きく響いてくる

普段はそんなに気にならないものが

静寂の中では耳から離れなくなり

不思議にどんどん大きく感じてくる

まるで心についたおもりみたいなもの

前に進んでいるときにはなんでもないものが

一度立ち止まってしまうと

どんどん足に重くのしかかって

前に進むのを阻んでいく

一歩前に踏み出さないと

おもりがどんどん大きくなって

やがてここからでられなくなる

誰かが手を引っ張って助け出してくれるのを待っていられない

自分の足で前に踏み出さなくては

いつもともに