田切通信

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入間川橋梁の遺構

2024-12-10 12:20:33 | 旅行

 川越から郊外に向けてしばらくの区間はほぼ並行して走っている東武東上線とJR川越線ですが、入間川を越えるのにそれぞれ入間川橋梁を渡ります。まったく別の鉄橋ですが、名称は同じ入間川橋梁です。

 

 こちらはJR川越線の入間川橋梁。川越線は単線なので橋の幅も狭く、ガーダー橋で上面部に構造物が無いので、列車の撮影にはいい場所です。すぐ隣に自動車・歩行者橋の初雁橋があって、その歩道上から入間川に渡る鉄道橋を渡る列車の全景が見られます。

 

 そしてこちらが、東上線の入間川橋梁です。現在の東上線は複線なので橋は幅があり、橋の上部にトラス構造がある立派な鉄橋です。

 さて、この東上線入間川橋梁のすぐ横に、橋の遺構が残っています。通るたびにこれは一体何だろうと不思議に思っていましたが、天気がいいので取りあえず写真を撮りに行って来ました。

 

 現在の入間川橋梁が道路を跨いでいるすぐ横に、レンガ造りの橋台が残っています。午前中は逆光になります。

 

 反対側に回って、現橋梁の下から振り返った様子です。道を跨いでレンガ造りの橋台が綺麗に残っています。

 

 特に文化財として保存している様子はなく、当然いわれを書いた看板などもありません。周囲は田園地帯で、住宅もまばらに建っていますが、大規模に開発されるでもなく、その結果、頑丈ゆえに壊すのも面倒くさいから残っているといった感じです。

 

 すぐ先に現行の入間川橋梁のトラスが見えています。閉じられている鉄の扉は線路面に上がれるスロープで、工事などで必要な時には車両や重機を通すのでしょう。橋台から入間川の堤防に至る路盤は無くなっています。

 川のこちら側(川越市駅寄り)にはこのように橋台が残っていますが、反対側(霞ヶ関駅寄り)はどうでしょう?堤防上を初雁橋まで歩いて入間川を渡り、反対岸に向かいます。

 

 ありました。こっち側も橋台だけが残っています。鉄道の敷地内で柵に囲まれていますので、これ以上中に入ると不法侵入になってしまいます。少し離れていますがこれで我慢しましょう。こちらも重厚なレンガ造りです。それなりに重要な歴史的な遺構ですが、文化財として保存されている様子はありません。落書きもされちゃってるし。

 

 すぐ横を現在の東上線が走っています。

 

 入間川の堤防に上がって見るとこんな感じです。手前側の橋台もこちらの橋台も、それと知って注目していれば東上線の車窓から見ることが出来ます。

 

 入間川の両岸に鉄道橋の痕跡が残っているのだから、川の中にも橋脚の跡でもないかと思い、改めて入間川の中を見ました。

 あ~、ありますね。写真の中央部にすごく分かり難いですが何やら台のような物が見えます。

 

 望遠で寄って見ると、レンガで作られた構造物であるのが分かります。

 

 すぐ横に橋の遺構が残っていて、現行の橋があるというのは、橋の架け替えが行われたことになります。架け替えられるには、それだけの手間をかける理由があるはずです。現地では何の歴史的情報は得られませんでした。こうして記事を上げる前にちょっと調べて見たら、やはり東上線の線路の経路変更による架け替えがあった事や、この手前側の橋台があった付近に駅があった事、更には使われているレンガが深谷のレンガ工場で焼かれたものである事などが分かりました。そうするとかなり重要な歴史的遺構だと思います。市も会社も文化財として保存する意思はないようですが。

 紹介した橋の遺構は、JR川越線の西川越駅か東上線の霞ヶ関駅から歩いて見に行けます。入間川を渡るには少し離れた初雁橋まで迂回する必要はありますが、眺めも良く気持ちのいい散歩になります。航空自衛隊の入間基地が近い(飛行機の距離感として)ので、いろいろな飛行機が頭上を飛ぶのも見られます。遠く富士山が見えたりもします。

 

 こんな感じで、民間では無くなったYS-11もたまに飛んでいます。

 

 普段何気なく目にしている風景も、こうして気にして見ると面白い物を発見することがあります。交通の便も良いので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。



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