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交流

こだわりの味・素材を生かす味

2003-03-04 04:04:00 | 徒然なるままに
先日、埼玉県立近代美術館主催の『美術教員講座』を受講して来た。

終了後、浦和に住む旧友と久しぶりに会って、一緒に食事をした。
友人のそのお薦めのお店は、浦和駅の東口からちょっと行ったところで、『よし佳』(TEL:048-886-8988)というお寿司屋だった。

友人は、その店の常連で、付け合せから、メインの握りまで、注文する方も、握る方も、そのこだわりようといったら、まさに『美味しんぼ』の世界だった。

お店のご主人は、若い時から日本中の寿司屋を修行して歩き、米や、水、塩、酢から、ネタに至るまで、何時、どこで取れるのが美味しいかを自分の舌で確かめた上で、今の店を持ったそうだ。
でも、全部一級品をそろえたところで、あまりに高級品ばかりでは、気軽に食べに来てはもらえない。だから、B級品ではあるが、そこで捕れる旬のものを厳選し、その素材を生かす最高の技で勝負しているのだそうだ。

友人も、海辺の町で育ち、魚の味にはうるさい上に、食通で通っているのだが、その友人が太鼓判を押すだけあって、どの品も『目からうろこ』のような味だった。

私が今まで食べてきたものは一体何だったんだろう。これが、本物の味なんだと感激しつつ、お店のご主人がこの味にたどり着くまでの修行や研究を思って感動してしまった。
まさに、いながらにして、日本中の旨いもんが次から次に出てくる感じ。
極めつけは、6年に一度しか捕れない(味わえない)魚もこの店で味わえるそうだ。
ただ、こういう味を知ってしまうと、もう、他のものでは満足しないというか、食べる気がしなくなるらしい。(友人談)

私のような一介の主婦で、スーパーの値引き商品でやり繰りしているようなものには夢のような話である。
まして、子ども達には、小さいうちからこういう贅沢な味を覚えさせたらどうなちゃうんだろう。まだ早いよな~。
なんて思っていたら、子ども達用にと折り詰めのお土産まで頂いてしまった。
家に帰り、子どもたちに食べさせたら、皆喜んで食べた。
素直に「これ、美味しいねえ!」と感動して食べる姿に、いつもというわけには行かないが、『食育』として『食文化』を学ばせる意味でも本物の味、技の味を味わわせる事も必要なんだと思った。
出来れば、折り詰めではなく、作った人の顔が見え、その手元を見ながら、そのこだわりの心意気を聞きながら・・・。

子ども達と今、毎週楽しみにしている中華料理のドラマがある。
料理の面白さもさることながら、毎回難しい注文に、メンバーが皆で知恵や技を出し合って、新しい料理、美味しい料理を作り出していく話である。
ドラマで見ているほうは、役者の演技でしか、その美味しさを想像することしか出来ないが、出来る事なら、年に一回でも、生涯心や舌に残るような美味しい味、本物の味を味わわせる体験をさせてあげたいものだと思う。

音楽や美術などの芸術や、スポーツ観戦とかもそうだ。
一流の、プロの、本物の技。それに憧れ、それを目指し、情熱を注いでいる姿。そういうものとの出会いを大切に、できるだけそういう機会を作ってあげたいと思う。

一方で、プロの技には到底及ばないが、娘達にはちょっと手をかけた、我が家ならではの味というものも覚えていってほしいと思う。こちらの方は、私が頑張らないと・・・ね。