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アイコンタクト ~以心伝心?~

2011-10-23 01:52:00 | 徒然なるままに
10月22日(土)

今、私は小学校の体育の授業の指導案作りをしている。

書いても書いても、指導案検討会ではダメ出しが出て、その度に全面書き直しとなる。

もともと中学校美術科が専門の私には、畑違いの難題であるのだが、引き受けた以上、長年小学校で教鞭をとってきた先生方が書くものに匹敵するような内容のものを書きあげなくてはならない。

毎回、大変勉強になっている。が、他にやらなくてはならないことと疲れが蓄積してきて、身体がきつい。

この終わりが見えない指導案作りにも締め切りがある。
とにかく、そこにたどり着くまでは、最優先で頑張らねば…。

と、無理を重ねたからか、昨日から声が出なくなってしまった。
一昨日、徹夜で指導案を書きあげた後、3時間ぶっ続けで声を張り上げなくてはならない状況だったのがたたってか、朝起きたら、声がかすれて全く音声にならなくなっていた。
風邪なのか、声帯ポリープができたのか、普通に話そうとすると、声にならない。
低い声で話そうとすると、ところどころ音になる程度だ。

そういうわけで、昨日は、朝から歌は『口パク』で、授業は『筆談』で行った。
子どもたちも心配してくれて、私が大声を出さなくて済むよう、お互い注意し合ったり、私を気遣い、労ってくれた。
私は、アイコンタクトとゼスチャーで指示を出し、それを受け取った子どもが、気付かないでいる子どもに教えてくれたりして、すごく助かった。
普段から、『以心伝心』を教えてきたが、目だけで気持ちを伝え合えるというくらい、子どもたちとの『絆』ができてきたことを嬉しく思った。

5時間目は体育だった。
本来は校庭での体育だったので、子どもたちは楽しみにしていたのだが、私の体調を気遣って、授業変更を覚悟していたようだった。
私は、今書いている指導案のオリエンテーションを教室で行うことにした。
黒板に図解をし、張り上げない程度の声を振り絞って説明をし、運動会でリレーの選手だった児童にバトンタッチの見本を実演してもらった。

子どもたちは、熱心に授業に参加し、大いに盛り上がったのだが、私が声が出せるようになったと思って気が緩んだのか、勝手なおしゃべりが多くなっていった。

しばらくだまって様子を見ていると、気が付いた児童から注意し合ってだんだん静かになって行った。
私は、静かに話し出した。
みんなはじっと聞いていた。
「私は、この授業をみんなと一緒にやりたくて、毎晩その計画を練っています。
どうやったらみんなが上手になるか。
どんなことをすれば、楽しく取り組めるか。
どれだけやれば、みんなの力が伸びるか。
先生は2年生の体育は初めてなので、いろんな先生がいろんなことを教えて下さっています。
中には、
「うちのクラス子たちを貸してあげましょうか?」
と言ってくださる先生もいます。
今、先生が作っている授業計画は、2年生全クラスがやる体育の授業です。
11月16日には、体育の専門の先生に授業を見て頂くことになっています。
私は、その授業をこのクラスのみんなと一緒にやりたいのです。
でも、今のように、先生のお話を静かに聞けない、勝手なおしゃべりをするようなクラスでは、ケンカが始まったり、砂遊びをする人たちがいたのでは、決まった時間内に準備から後片付けまでできないばかりか、授業自体も計画通りにはできないかもしてません。

そうなったら、せっかく授業を見にいらしてくださった体育の専門の先生に、授業の大切なアドバイスをもらえなくなってしまいます。
これから他のクラスもこの授業が始まります。
本番までに、ちゃんと先生が立てた計画通りに授業ができて、先生のお話をきちんと聞けるクラスが、16日の授業をやることになるでしょう。

私は、みんなが3年生になるまでに、体育だけでなく、勉強も、お掃除も、給食も、いろんなことがちゃんとできるようになってほしいと思っています。
まずは、他人の話を静かに聞けるようになってください。」

「はい!」

「どうでしょう。11月16日、その授業をうちのクラスではなく、他のクラスでやればいいと思う人はいますか?」

「・・・」

「うちのクラスでやりたいと思う人は手を挙げてください」

「「「はい!!」」」

「では、来週の体育から、本番に向けての練習が始まります。すぐに授業ができるように朝のうちに体操服に着替えて、体育の授業前には、自分のチームの分担と準備体操を済ませておけるように準備をしてください。」

「「「はい!!」」」

「11月16日は、研究授業の本番ですが、みんなのゴールはその後のリレー大会です。
長縄に続いて、2連覇できるように、みんなで協力して頑張りましょう!
先生も、この土日で声が出るように治してきます。
月曜日の体育、みんなで頑張りましょうね!」

「「「はい!!」」」


これだけしゃべったせいか、その後の学年での指導案検討会の時には、全く声が出なくなっていた。

体育科の講師の先生の
「先生が疲れていては、良い授業はできません」
という言葉が身に沁みた。

「休むことも仕事のうち」
今日は、体中が悲鳴をあげていて、一日中布団から起き上がれなかったが、頭の中は指導案がぐるぐる回っていた。

指導案完成までラストスパート!
私を応援してくれているクラスの子どもたちのためにも、最後まであきらめないで頑張るぞ!!