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十五の君へ

2010-01-20 02:38:00 | 徒然なるままに
1月18日(月)

下校指導の時、ある3年生の女子達と話した。

もうすぐ公立特色選抜試験がある。
面接と作文。きっと自分は受かる。
そう言いながら、その後に続く言葉が気になった。

「高校に行っても、やりたいことがない。」
「行っても続かないだろう。」
「自分の人生だ。誰にもとやかく言われたくない。」

投げやりな言い方ではあるが、なんて苦しい言葉だろう。

昨日、一昨日は私立前期試験だった。
それが本命の生徒もいるだろうが、大半は滑り止め受験だ。
2月上旬の公立特色選抜試験の後、2月末の一般入試まで、どの生徒も最後まで諦めずに自分のベストを尽くして志望校に合格するべく努力しているこの時期に・・・。

彼女の言葉は、私には
「高校に行ったら、自分がやりたいことは見つかるだろうか」
「卒業まで頑張りたいが、そうできない事情が自分にはある」
「これからの人生が不安でならない。誰か助けて」
と言っているように聞こえて仕様がない。

彼女に、
「私のよく知っている子の話だけどね。彼女は中学時代にいじめにあって、不登校になって、でも高校はサポート校に入学したの。
1年の時は全日制に通っていたけど、6月からまた不登校になって、2年生の時から通信コースに変わってバイトしながらレポートを書いていた。
でも、彼女は社会に出て働きながら、『やっぱり、高校だけはちゃんと卒業したい。しなくちゃだめだ。』と思うようになって、3年生からは仕事と勉強を両立させて、頑張って高校を卒業したの。
今は、彼女は自分の夢を叶えて、日本中を飛び回っているけどね。

『高校を卒業した人』『高校を中退した人』『高校には入らなかった人』、人それぞれとは思うけれど、現実には職業の選択肢も、お給料もずいぶん違ってくるのは確かなことだよ。
高校は単なる『通過点』でしかないの。大学だって、専門学校だって同じ。
その先にある『なりたい自分になる未来』のために、いろんな経験や勉強をしたり、専門知識を得るための1ステップでしかないの。

それに、高校に行ったら、また違う世界が開けるかもしてないよ。やりたいことが見つかったり、いい友達や先生に出会うこともあると思うよ。
受ける前から、「続かないかもしれない」なんて言ってないで、「3年間その高校で頑張って、その高校の卒業生になります」って言ってごらんよ。

あなたの人生だよね。たった一度の人生だよね。大切に生きていってほしいな。」

15歳。夢がいっぱいのはずなのに・・・。
でも、その夢や希望以上に、不安や諦めが勝って前に踏み出せないでいる子が多い。
私が15歳の時よりは、はるかに物に恵まれ、高校の選択肢だって多いはずなのに・・・。
成績以外に行く手を阻むもの。経済面だったり、健康面だったり、距離的なものだったり・・・。
せっかく入学できた高校を卒業まで続けられない原因は、選んだ高校にあるというよりは、自分自身にある場合もある。

これから卒業までの期間、本当のクラス力が試される時でもある。
進路が決まった生徒、決まらない生徒に分かれていく中で、全員志望校合格を目指して、互いに励ましあい、残り少ない中学校生活を、どう充実させていくか。

今、3年生の美術では、
『自分を励まし、見る人も励まされる言葉、文字、絵』
と題して、水墨画に挑戦している。
そして、出来上がった作品には篆刻の捺印をする。
毎年、なかなかの力作、傑作が作が生まれる。
今年はどんな作品が生まれるだろう。


去年の今頃、アンジェラ・アキの『手紙 ~拝啓 十五の君へ~ 』という歌を聞きながら、3年生の副担任として、進路の仕事をやっていたことを思い出す。

♪負けそうで 泣来そうで 消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ歩けばいいの?
ああ 負けないで 泣かないで 消えてしまいそうな時は
自分の声を信じ歩けばいいの
いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど
笑顔を見せて 今を生きていこう
今を生きていこう

頑張れ3年生!
きっと未来は君を待っているから。立ち止まらないで、怖がらないで、逃げないで、その一歩を踏み出そう!

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