札幌市営地下鉄東西線の最後の延伸区間、琴似〜宮の沢間が開通したのは平成11年(1999年)でした。このとき営業を開始した宮の沢駅のバスターミナルは、地下に一旦もぐってからではないと停留所にアクセスできない仕組みになっていて、ちょっと面倒だと思った記憶があります。逆に地上を自由に人が往来できるようになっていたら、バスの通行に支障が出る上、結構な確率で事故が起きるであろうことは想像ができました。札幌駅のバスターミナル(エスタ1階)も、停留所へのアクセスは似たようなものでしたが、わりと最近遮断機付きの横断歩道ができましたね。JRバス停留所から地下を潜らずじょうてつバス等への停留所にアクセスできます。
話戻って宮の沢駅ができた時の話。ネットで鉄道マニアが宮の沢駅が営業開始した時「バス停へのアクセスが悪い宮の沢駅。考えたのは札幌市交通局。所詮お役所、その程度。」みたいな書き込みを見ました。彼は札幌市内の某進学高校から道内の国立大学を出た、といずれもネットで実名の学校名を公表していて、普段の書き込みもなんか高飛車だなぁとは思っていたところ、決定的な書き込みが上記のものでした。そのとき「ああ、この人は高学歴であることを晒しておきながらこの程度の発言しかできないんだな。」と思った次第です。
【三橋貴明】官も民も等しく良くもあり、ダメでもある
(以下抜粋)
官、いわゆる公務員と、
民間の「ビジネスマン」
との能力の差は何でしょうか。
そんなもの、パーソナル(個人)の
能力に依存するに決まっています。
「官はダメ、民間が正しい」
などと、固定観念を
持っている人は多いでしょうが、
それ嘘だから。
民間の企業
(主に外資系IT企業)を転々とし、
十社以上の職場を経験し、
かつ診断士として様々な企業を
この目で見てきたわたくしが
断言します。
官もダメだし、民もダメだから。
あるいは、官にもまともな人がいれば、
民にもまともな人がいる。
そんなこと、当たり前でしょ。
特に、「投資」に至っては、
官も民もほとんどダメ。
ほぼ、失敗します。
「いやいや、報道では成功した
民間のプロジェクトが
紹介されているではないか」
と、思われたかも知れませんが、
それは「万の失敗」の中で、唯一、
成功したプロジェクトが
記事になっているだけですから。
一つの成功の背後には、
数えきれないほどの失敗
「投資」があるのです。
てかな、
「官はダメだ! 民がいい!」
などといった低劣な
レトリックを使う人は、
わたくしのように十社以上の
民間企業勤めを経験してから
言ってください。
実際に十社以上に勤めると、
ミクロはともかく、マクロで見れば
「民も官もダメ。民も官も良い」
という現実を理解できます。
『ノーベル賞受賞・本庶教授
「ばらまき」発言のウラ
官僚が研究資金の「選択と集中」
できるなんてウソ
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181010/soc1810100002-n1.html?ownedref=rensai_not%20set_newsList
ノーベル医学・生物学賞の
受賞が決まった本庶佑(ほんじょ・たすく)
京都大学特別教授が、研究資金について
「もうちょっとばらまくべきだと思う」
と発言したことが話題になっている。
研究資金はなぜ増えていないのか。
それは誰のせいか。
本庶教授といえば、
「オプジーボ」というがんの薬の
開発につながった研究で有名だ。
人の体が本来持っている免疫で
がん細胞を攻撃させる治療薬で、
そのおかげでがんになっても
長く生きる人が増えている。
自然科学の基礎研究への
財政資金や人材の投入に関しては、
現状では本庶教授が主張する
「ばらまき」ではなく、
「選択と集中」が実施されている。
だが、そもそも官僚が研究資金の
「選択と集中」をできるというのは
ハッキリ言えばウソである。
官僚に限らず、
誰もそんなことはできない。
本庶教授も記者会見の中で、
「何が正しいのか。
何が重要なのかわからないところで、
『この山に向かってみんなで攻めよう』
ということはナンセンスで、
多くの人にできるだけ、
たくさんの山を踏破して、
そこに何があるかをまず理解したうえで、
どの山が本当に重要な山か、
ということを調べる」
と述べている。(後略)』
高橋洋一氏が、
「官僚に選択と集中など
(正しくは)できない」
という正論を述べています。
本寄稿について、
特に文句をつけたい
わけではないのですが、
高橋氏が書いていないことが
一つあります。それは、
「官は正しい選択と集中はできず、
民も正しい選択と集中はできない」
という話です。
「いや、民間は利益のために頑張るので、
正しい選択と集中はできる!」
と、反駁したい人はいるでしょうが、
もしそうだったとしても、
そんなもの「誤差レベル」ですから。
利益目的で無謀な投資に邁進し、
倒産した企業をいくつも
見てきたわたくしが保障します。
官はできない。
でも、民間は「常に」
正しく選択と集中ができる
というならば、倒産する企業は
なくなるでしょう。
というか、「確実に成果(利益)が出る」と
100%保証できる投資があるなら、
是非とも教えて下さい。
わたくしが投資します。
もっとも、100%儲かる、
は無理でも、
「100%に近いほど儲かる」
投資はあるわけです。
すなわち、公共サービスの
コンセッションやPFIです。
何しろ、公共サービスは
確実に需要があります。
かつ、デフレであっても、
さすがに需要の縮小は低減されます。
人間は、例えば水を飲まない
わけにはいきませんので。
デフレで実質賃金が下がっているから、
水を飲まない。
という人間はいません。
その「確実に需要がある公共サービス」に、
公共サービスの継続性を
担保しない民間企業を
「新規参入」させるって、
それってただのレントシーキングだろ。
利益にならなければ
「撤退」する株式会社を、
公共サービスに入れるなよ。
というわけで、
この件ではわたくしと
高橋氏は常に対立するわけですが、
本記事における氏の
主張は正しいです。
結局のところ、
緊縮財政の路線が続く限り、
日本は科学技術に正しい支出ができず、
科学技術劣等国化
していくことになります。
高橋氏の主張通り、
数十年後の日本人の
ノーベル賞受賞者は「ゼロ」でしょう。
間違いありません。
科学技術劣等国化を回避したいならば、
緊縮財政路線と
決別しなければなりません。
まさに「緊縮財政」こそが、
日本を現在進行形で
亡ぼしつつあるのです。
(抜粋終わり)
昨日の三橋さんのエントリーで思い出した宮の沢駅のこと。それにからめて紹介させていただきました。