ついに2222km走破しました!
ティグアンの2012年モデルの試乗車に初めて乗ったときの感触は忘れつつありますが、
2000kmを超えてからも、そんなに印象は大きく変わってはいませんので、
まずはインプレを書いてみようと思います。
ここに来るまで、前置きが長過ぎたため(汗)、できるだけ手短に。
(見た目)
個人的にはマイナー前より好きです。顔つきも精悍ですし。
フロントライト横のLEDポジショニングランプもいいけど、テールライトやウインカーもLEDにしてほしかったなぁ。
走りに関係ないから、どうでもいいっちゃいいんですけど。
ちなみに、トランクルームはそんなに広くないです。これは日本車の中型SUVのほうが広いですね。
車高の高さはSUVとしては高くもなく低くもなくちょうど良い感じ。
(ドライビングポジション)
SUVらしく、腰をかがめなくても、すっと座れます。これはいいです。
以前、マツダプレマシーを代車で借りた時、乗り降りしやすいってホントいいなぁ、と感じたのを思い出しました。
セダンと同じプラットフォームを使ってSUVを作ると、ドライビングポジションがおかしくなることがあります。
その点ティグアンは大丈夫。きちんとドラポジがとれます。
シートは膝下を下に落とす感じ、普通の椅子に座る感じですね。嫁さんにはすこぶる好評です(^^)
前の車はスポーツセダンでしたから、どっちかというと足を投げ出す感じでしたが、
私は好きでしたけど、嫁さんにはイマイチ不評でした。
ハンドルの角度、ブレーキとアクセルペダルの角度、ダッシュボードの位置、
いずれも、セダンをただかさ上げしただけの手抜きはしておらず、車高を上げたなりのきっちりした修正はされています。
車高が上がったのに足を投げ出させるようなシートだったり、シートが良くてもハンドルの位置や角度がセダンのままでは、
長時間の運転で間違いなく疲れてしまいますからね。
フロントウインドウの傾斜が少しだけキツい様な気がしますが、気になるほどではありません。
(リアシート)
スライド&リクライニングします。
後ろの席は概して乗り心地が悪いものですが、嫁に運転させて後ろに座ったところ、
やっぱり揺すられ感がでましたね。ただ、ゴルフ5の時ほどキツくはなかったです。
(エンジンとトランスミッション)
やっとここから車が動きだします。
アイドリングは直噴エンジンらしく「ガラガラ」音がそれなりに響きます。これはもうどうしようもないですね。
ちなみに、排気量の小さい1.2Lエンジンは、当然ガラガラ音は小さいです。
普通にアクセルを踏んでいくと、平坦路面ではどんどんとシフトアップしてくので、速度の上がり方は緩慢です。
この間、エンジンは音量を上げず、粛々と回るだけ。
試しに一気に踏み込んでみると、低い回転域からすかさずブースト(ターボ)がかかり加速します。
エンジンはきっちり上までキレイに回り切り、十分に「速い」と言える鋭い加速をします。
但し、トルクの出方はフラットで、ドラマチックではありません。
音質も実用車エンジンらしく、気分がハイになるようなものじゃないです。
ターボラグが少ないので、踏んだだけちょっきりの加速が得られます。車によっては、アクセルを踏んでないのに予想外の加速をしたり、逆に踏み込んだのに全然加速してくれないエンジンもありますから、これは運転者が無意識にイライラしない要素です。
なお、特定の回転域で振動が大きく出たり、吹け上がり中に引っかかる感じがあったり、
といった事はなく、ひたすら同じように吹け上がります。
BMWミニや新型BMW1のターボエンジンは、特定域での振動が見受けられたので、ここはVWエンジンのほうに軍配を上げたいです。
ちなみに100km/h走行時の回転数は1900回転くらい。タコメーターで言えば「2」のちょい手前でゆるゆる回ってます。
次にトランスミッションですが、原理としてマニュアルミッションと同じ7速DSGは、滑りが一切無いので、
通常のオートマのようにアクセルを緩めたときにロックアップが抜けて「ツーッ」と惰性走行せず、
適度にエンジンブレーキがかかるので、むやみにブレーキを踏む必要はありません。これは非常に気分が良いものです。
2003年にDSGというミッションが世の中に出たときは、まるでレーシングカーのように変速ショックがありました。
(試乗車はaudi TT3.2クワトロでした)
変速する時に「ドスンドスン」と繋がっていかにもレーシーで好きでした。
ティグアンの7速DSGは、世の要請でしょうか、すっかり変速ショックはゼロに等しいです。
ティグアンもシフトレバーを手動操作にして、全開加速でシフトアップ、思いっきりブレーキングでシフトダウン、、、とやっていくと、ドスンドスンとギアが入っていくので、それなりの楽しい感触をもたらしてはくれます。
それでも2003年当時のようなレーシーさまでは達していないんですよねぇ。
シフトレバーがDに入っている分には、あくまでも普通のオートマと同じ感覚です。
(ハンドリング)
昔ながらの油圧パワーステアリングではなく、電動パワステです。
操舵力は軽めですが、路面状況をよく伝えてくるので、安心感があります。
但し、前の車 BMW 330i(E46型)ほど、路面状況を濃厚には伝えてきません。
これは善し悪し。
ハンドルから感触をビビットに伝えてくると楽しいのですが、疲れているときはジャマくさく感じる事があるものです。
今回の車の入れ替えに当たっては、「日々の使用や長距離で疲れない車」「車高の高いSUV」が条件でしたので、
これはこれで良かったと思います。
2004年モデルのゴルフ5に乗っていた私ですが、この時は電動パワステは出始めの頃。
ハンドルを切り始めてから車が反応するまでに一瞬の間がありまして、ここは手放すまで気になり続けていた点でした。
夏タイヤから冬タイヤに履き替えたときはその「間」が増幅されて、結構気持ち悪かったです。
しかし、さすがに7年もたつと電動パワステの制御は熟成の域に達したと思われます。
今まさにスタッドレスを履いていますが、不自然な所はほとんど見当たりません。
(足回り~高速道路や山道を走ってみて)
一般道の直線をダーッと走った時、とにかくスピード感が無いです。
気がついたら100km/hなんて普通ですので、取り締まりに注意ですね。
高速道路を走っても、速度感が無いのでやはり取り締まりに注意です。
山道を走ってみると、昨日のブログで書いたとおり、
よくできた4WDシステムのおかげで、後輪駆動のように良く曲がります。
旋回軸が車の中心にあるような感覚です。
ゴルフのような弱アンダーステアではないですね。
連続したカーブを曲がり続けると、1640kgもある重量のSUVであることは忘れてしまいます。
ただそれはあくまでもSUVとしては、という但し書き付き。コーナリングはE46の方がはるかに上であり、軽やかで濃密でした。
ショックアブソーバ自体はオンロードを意識したものですので、乗り心地はそれほどしなやかではなく、
細かいでこぼこ道は直接的に衝撃が来ます。山道の楽しさはそれとのトレードオフだと思います。
但し、足回りそのものは頑丈に作られているので、華奢な印象はありません。
ボディ剛性ですが、ハッキリ言って前の車E46の方が剛性感は高いです。
ハッチバックボディでこれだけの大きさですから仕方ないですね。
E46はセダンボディで且つ5ナンバーに毛が生えた程度の大きさでしたから、剛性には有利に決まってますので。
(総評)
ラクで疲れず、2Lターボエンジンはなかなか速く、ダイレクト感はあえてオブラードに包み運転者を疲れさせない。
車高が高いので、大雪の次の日はとてもラクちん。高い位置に座るので、視界が良好に感じる事もあるのでしょう。
トランスミッションと足回りはすべて運転手に「思ったとおりに動いてくれる」と確信させてくれる。
一度SUVに乗るとやめられない、っていう方の気持ちがわかる気がします。
お金があれば10台くらい車を所有し、気分によって乗り換えるんでしょうが、
それができない我々は、もっとも多い使用パターンに合わせて車を買います。
そういった意味では、今度こそ長く乗れるかな?
そう思っております。