久々に何度も観たいと思える映画に出会い、大興奮。その映画のタイトルは「キサラギ」。
アイドル如月ミキの1周忌にネットの掲示板で知り合った家元、オダ・ユージ、スネーク、ヤスオ、イチゴ娘の5人が集まる。
「如月ミキは本当に自殺だったのか・・・?」
この1つの疑問から5人の素性、如月ミキへのそれぞれの想い、如月ミキとの関わりが明らかになり、5人は1つの結論に辿り着く・・・。
密室型サスペンスコメディー・・・でいいのかしら。1つの部屋の中、5人の会話だけで進んでいくストーリーですが脚本がスゴイ!!もともとが舞台用に書き上げられた脚本を映画用に何度も練り直しを重ねただけあって、5人の会話の間やテンションは生の舞台を観ているようでした。如月ミキの死を追及していく過程も、様々なヒントがあらゆる場所に散りばめられ観客に対してフェアな状態で推理が繰り広げられます。
A級どころかB級、C級にもなれないD級アイドル如月ミキにそこまで思い入れをする理由は何か?、如月ミキがそこまで愛される理由は?・・・5人が語るアイドル如月ミキ像と優しい映像がその答えを観客に教えてくれます。そして5人が出した1つの結論は自分達が愛して信じた如月ミキ像を守るためのものであり、5人それぞれが如月ミキへの互いの思いを大切にする優しさから導き出したもので、自然と涙が溢れてきます。
笑いの連続の後に、温かい気持ちで涙を流し、ハイテンションなエンドロールへ。私はこのエンドロールがかなりツボでDVDが出たら、このシーンだけ何度も観ちゃうかもしれません。・・・で、エンドロール後のラストシーンですが、舞台であるなら「有り」な作り、映画としてみるなら私はエンドロールの勢いのまま終わって欲しかったな。
アイドル如月ミキの名前、如月ミキの命日は2月、如月ミキの大切な人の誕生月は2月、と映画の大切なことは全て「キサラギ」絡み。とりあえず余分な情報は一切入れずに、とにかく観て欲しい映画です。絶対何度も観たくなるはず!