ni-tomoの日記

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『十三人の刺客』

2010-10-16 23:05:47 | 映画の日

稲垣吾郎の極悪非道な殿様が見たくて『十三人の刺客』を観賞。

民衆に対して残虐な殺戮を行う暴君を暗殺するために13人の男が起ちあがる。ラスト50分は刺客13人VS暴君軍300人の戦い・・・と非常にわかりやすい話。この映画のポイントは、どんな理由であっても自分の命を預けてもいいと思わせるだけの器を役所広司演じる島田新左衛門から感じることができるかと、稲垣吾郎演じる明石藩主の残忍さがどれだけのものかというところ。

ゴローちゃんはホントにヒドい殿様でした(笑)。生かしちゃいけません、あんな男。「お命頂戴致します。」って言われて当然の男です。残忍な面を持っているけど実は・・・・とか、一切無い。最後まで、救いようのないとんでもない男。なんでこんな悪役をゴローちゃんが??と鑑賞前は思っていたけど、極悪非道な男でありながら将軍の実弟で立ち居振る舞いや話し方からは品の良さも感じさせなくてはいけないし、野蛮というのとも違う。ゴローちゃんが刺客に向かって「この下郎がっ」と言い放つシーンや、女・子供に対しても感情が見えない表情で容赦なく命を奪うシーンを観て、ゴローちゃんがキャスティングされたことに、とても納得してしまいました。そして、この役を受けたゴローちゃんってスゴい

万民のために侍の生き方を全うしようとする役所さん演じる新左衛門も魅力的な男だったけど、主君のために仕えることが自分の全てと考える市村正親さん演じる鬼頭の哀しい生き方の方が印象に残っています。自分が仕える藩主が政治能力的にも人間的にも欠陥がある人間ということをわかっていながら、自分の宿命に逆らわず最後まで藩主のために命をかけて闘う姿に侍の美学を感じました。そんな鬼頭に対してゴローちゃんったらねぇ・・・。自分のために命落として首をはねられたっていうのに、その首を蹴鞠のようにポーンって蹴っちゃうんだもん。スゴいわ、あの男。

三池テイストというか、敢えて笑いを取るためのシーンが入っていたことと、山の民「木賀小弥太」の存在は好き嫌いが出ますねぇ。友人は「映画の中の息抜きになった」と言ってたけど、わたしは息抜きというよりは気が抜けちゃうというか、それまでの集中力が切れちゃう感じでダメでした。

全体的には時間を感じず、想像以上に楽しめました。見るに堪えないシーンにツラくなったり、ひたすら殺陣が続いて飽きちゃうかなぁ・・・と思っていたんだけど、骨太な男達の話は熱かった・・・。刺客側も藩主側もどちらが善で悪かというより、自分の行き方に対する美学をどれだけ貫けるかという闘いを行っていたように思います。それにしても、ゴローちゃんスゴかったわぁ・・・