帝国劇場で『エリザベート』を観てきました。シシィ⇒瀬奈じゅん、トート⇒石丸幹二の今公演から初参加のお二人を初めて見れるということで、とても楽しみだったんです。
瀬奈さんの声を聞いた瞬間に、「これぞ、シシィだ・・・」とエラく感動してしまった私。宝塚時代の瀬奈さんがどういう男役さんだったかは知らないけれど、声が柔らかくて美しい。子供時代の声を聞いただけで歴代シシィで1番好きな声になってしまった・・・。そして『私だけに』を聞いて歴代シシィで1番歌が巧いと確信。意外と言っては失礼だけど、瀬奈シシィが歴代の中で1番女性らしかったです。シシィの強さよりも優しさが感じられ、何よりオーストリア皇帝フランツへの愛がしっかり演じられていたことが素晴らしかったです。他の方のシシィは自己の自由を追い求め、どうしてもフランツが置き去りになってしまう感があるのだけど、瀬奈シシィはフランツの愛情と自分らしさの中で苦悩している姿がわかりやすく表現されていました。石川禅さんファンの私としては、「頑張れ、禅さん!頑張れ、フランツ!嫁が我がまま言ってるぞ!」って感じで今まで見てたんだけど、瀬奈さんの新しいアプローチで「そうは言ってもさ・・・嫁の意見も聞いてやれよ」的な見方に変わりました
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四季メソッド健在というか(笑)、石丸さんのおかげでトートのソロは歌詞が聞き取りやすかったですねぇ。非常に力強いトートで、瀬奈シシィと禅さんの声と相性が良い。1幕ラストの『私だけに』、それから2幕最初の『私が踊る時』が特にヨカッタです。『私が踊る時』は力が入り過ぎると演歌っぽくなっちゃうし、シシィとトートの声質が合わなかったり、どちらかが少しでも音を外そうものなら恐ろしいほどの不協和音に苦しめられる厄介なナンバー。瀬奈&石丸は、さすがの仕上がりになっていて拍手喝采でした。
瀬奈&石丸ペア鑑賞後『久しぶりに良質のミュージカルを観たなぁ』と思いました。歌唱力、演技、表現方法も含めて、『ミュージカルってこうだよね』っていうミュージカルの素晴らしいところを全て堪能できました。ぜひリピート鑑賞したいです。
それから私は楽器をやっていないし耳が良いわけでもないのだけど、オーケストラの演奏が気になりました。前回観た時も「ここで音外すなよ」ってところが何度かあったし、今回も気になるところが何箇所か・・・。どうしちゃったのかなぁ。