帝劇開場100周年記念公演ミュージカル『三銃士』を観賞。
帝劇の記念公演だけあってキャストが豪華。主人公ダルタニヤンは井上芳雄。三銃士は橋本さとし、石井一孝、岸祐二。悪の大ボスことリシュリュー枢機卿に山口祐一郎、その配下に吉野圭吾。謎の美女ミレディが瀬奈じゅん。リシュリューに操られる国王ルイ13世が今拓哉、王妃がシルビア・グラブ。・・・と東宝ミュージカルの主演級がずらりと並ぶ『三銃士』。舞台上の存在感、歌唱力を全員が兼ね備えているので、鑑賞前から期待は高まるっつうものです。私の三銃士に対する予備知識は「一人はみんなのために みんなは一人のために」のこの言葉だけでしたけど。
銃士隊に憧れて田舎から出てきたダルタニヤンは、ひょんなことから銃士隊の3人組アトス、アラミス、ポルトスと知り合う。銃士隊はリシュリューの配下にある親衛隊と対立中。国王を思いのままに操るリシュリューは、王妃の秘密につけ込んだある策略を思いつく。自国と王妃のためにダルタニヤンと三銃士が立ちあがるのだけど、リシュリューの手下ロシュフォールや謎の美女ミレディが邪魔をする。果たしてダルタニヤンの未来はいかに??・・・というストーリー。
時代もストーリーも好きな設定だから飽きることは無いと思ってたけど、テンポが速くて、とにかく音楽が良い!!オランダ、ドイツで上演済みのこの作品。ヨーロッパミュージカルちっくなロックテイスト・ナンバーもあり、それを歌っちゃうのが祐様なのです。今までの作品での私の祐様評は「歌はうまいんだけどね・・・」というファンの方には申し訳ないものばかり。でも、今回の『三銃士』は違います。正真正銘の悪役がハマり過ぎ
。台詞回しも舞台上での動きも、「これは祐様なの??」と思っちゃうくらい私の中の祐様像が変わりました。影の主役でもあるリシュリュー枢機卿は祐様しか考えられないですね
。
それから、私はシルビア・グラブさんの歌声が大好きなのだけど、今拓哉さんとのデュエットが素敵でした。お二方の声が合ってるんですよね。ルイ13世とアンヌ王妃のすれ違う心を歌ったナンバーは『エリザベート』の「夜のボート」と同じくらい切なくて1回聞いて好きになってしまいました。
1回で好きになってしまったデュエット・ナンバーがもう1曲。ダルタニヤンとコンスタンスのナンバーです。芳雄くんのデュエット・ナンバーだったら『モーツアルト』の「愛していればわかりあえる」が長い間私的No.1の座にいたのだけど、この曲に負けないくらいヨカッタですねぇ。曲が・・・というより、コンスタンスを演じた和音美桜さんとのデュエットがとってもヨカッタ。声量も声質も芳雄くんの歌い方に合ってました。他のミュージカル・ナンバーも機会があったら2人の歌声で聴いてみたいぐらい
。
ダルタニヤンの恋と友情を織り交ぜた成長物語に加え政治的背景がわかりやすく描かれていて、とっても楽しかった。内容は盛り沢山なんだけど、すっきりまとまっています。帝劇公演の新作で久々にハマった作品。ぜひぜひ、また観たいです。