田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

藤沢 秀行

2009-09-28 16:05:30 | よもやま話・料理編
NHKの再放送で、藤沢秀行先生の晩年が紹介された。 
『 酒と女と博打 』 に明け暮れて、
まるでヒゲ自身を感じるような生涯だ !?
                 
その中の1シーン ~
若手プロに指導していて、思わず 「 定石にとらわれるな!! 」 と叫んでいるのが ・・・ 

ある日の田園 ~
遅い時間に、県のO方さんがお一人で。 
「 マスター、お酒を! それに、二次会だから、肴は何か “ 豆腐物 ” をいただこうか。 」
まだ倒れる前のヒゲ、酒を出しながら、一瞬考えました。

   豆腐物?? まさか、冷奴という訳もいくまい。
                じゃあ、小鍋で湯豆腐も暑苦しい。
何時もの揚出し豆腐も、酒飲みが大レンゲでしゃぶりつくのはオモロウない。
それでは、炒め豆腐をさせようか?
しかし、調理場の板場は、こう言い訳するだろう
   “ 炒め豆腐は、予(あらかじ)め、水気を切ってするのが正しい定石ですよ!
     だから間に合いません!? ” 

そして、 「 解りました。 今日は、いい “ 渡部豆腐 ” が入っていますから。 」 と。
ヒゲは、 “ 信楽焼きの鉢 ” を酒燗器の上に乗せてから、調理場に豆腐と少量の肉を
取りに行きました。

O方さんの目の前で作られた、何の変哲もない手順は、次の通りです。

  木綿タイプの渡部豆腐を、先ず切りましょう。
  第一のポイントは大きさ(サイズ)! ~ 酒飲みの箸が伸びる、そんな微妙な加減に。

  熱したフライパンに少量の油で、切った豆腐を軽く炒めましょう。
  終わり際に、塩と一味唐辛子を振って。
  炒めた豆腐は、一旦、横のザルに。 (しつこい様ですが、穴の空いた(?)ザルです。)

  綺麗にしたフライパンで、肉を炒めて味をつけ、水気の切れた炒め豆腐を再び戻してあおり、
  最後に、少量の濃口醤油を掛け回します。
  温まった信楽の器に盛り、小口切りの小葱をパラリ。

酔っぱらいでも箸でつまめて、しかも、豆腐は軟らかく、汁気が殆んどたまってない炒め豆腐。
ヒゲが倒れた後でも、 “ あの豆腐、 ・・・ ” と、板場に言うのですが ??? 残念!?
こういう定石ハズレの料理こそ、料理人の色々な感性が試されるのですけどね。
せめて、OSMくらいが、横でじっと見ていてくれるだけでも良かったのですが ・・・ 。

そして、BGMは、P・カザルスの無伴奏組曲。
二人で酒飲みながら、チェロの話題で盛り上がったので御座いました。
                        
コメント
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