田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

感謝の行政指導

2019-03-26 16:59:22 | ヒゲの毒舌
かっての熊本市では、郷土料理店を探すのが大変でした。
郷土料理の看板を掲げる店が少なかったからです。
何故でしょう?
今は、石を投げれば熊本郷土料理店に当たりますが? (笑)
              
熊本の郷土料理と云えば、馬刺しが主役です。
ところが、これが難題だったからです。(過去形に注意!)
70〜90年代の熊本飲食店では、馬刺しを冷凍しませんでした。
冷凍の馬刺しを使ったとしたら、たちまち同業者間であらぬウワサが飛び交います。
 「 あそこは、とうとう冷凍の馬刺しば出すゴツなった。
     いよいよ きつうならしたバイ。 」
当時も、馬肉は高額。
売れ残れば、たちまち原価率が跳ね上がります。
客数が少なく、店が暇なら、馬刺しの在庫を抱えたまま困ってしまう。
責任逃れの為、板場は馬肉を冷凍する手段を選ぶのです。

当時の熊本県人は、誇り高い人が多かった。
冷凍馬刺しなんて、とんでもない! 「 ルイベじゃああるまいに 」
ヒゲの母親でさえ、信州で冷凍赤身馬刺しが出て来た時は、鼻で笑い、
その皿を手ではねやりながらうそぶいた。
 「 冷凍馬刺しを食べる程、あたしゃ落ちぶれちゃあおらんばい!
   ぎゃん おろよかつは、内んネコでん跨いで行くけん。 はははー 」
     ( こんな低レベルな物は、我が家の飼い猫も食べない。 )
熊本人にしてみれば、ごもっともなセリフででしょう。 お見事です。
       

ある時期から、業者が熊本県外に馬肉の販路を拡げ始めた。
その県外の食べ慣れてない人達の間で、ことが起きたのです。
             
熊本だったら、笑い話で済んだでしょう。
他の肉に比べたら、リスクは非常に少ないのですから。
しかし、コトはややこしくなっていきます。
そして、厚労省の偉いお役人がしゃしゃり出て来た。
「 では、お上の裁定を申し渡す。
     熊本の平民ども、良く聴くが良い。
          馬刺しは、冷凍したものを提供すること。 」
驚きの指示に、青ざめる馬の卸業者と市民。
熊本県民の長い伝統と誇り・プライドが、ズタズタに葬り去られた瞬間です。
何とありがたい(?)御命令でしょう。
これでは、殺された馬も浮かばれません。
わざわざ不味くして、提供する訳ですから。
大事な熊本の食文化が踏みにじられたのです。

この日を境に、熊本郷土料理店が、雨後のタケノコの様に登場していったのです。
厄介だった馬肉の取り扱いの心配が、なくなったからでしょう。
こんなありがたい御指導はありません。 (む~ッ 
熊本の郷土料理店は、県外の皆さまを熱烈歓迎いたします!
美味しい冷凍馬肉で、お待ちしております!! (笑)
                    

        人気ブログランキングへ 
    http://blog.with2.net/link.php?1046790  
           ↑ 参加中です。クリックしてもらえたら嬉しいです。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする