田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

天ぷらへの誘い〜冷凍エビ

2020-04-12 21:18:08 | よもやま話・料理編
今は、ネットの動画や雑誌等で、料理の情報はふんだんに得られます。
かえって、情報過多で消化不良を起こしはしないかと、年寄りは心配です。

調理の現場でも、新人・見習いが入社してきます。
優しい先輩たちから手取り足取り、調理のイロハを教えて貰うのを待っています。
まるで、鳥の巣でヒナ達が口を開けて、餌が与えられのをジーッと待ってる光景の様です。
仕事は、ディスクロージャーするのが当然の時代背景なんで仕方ない。
少しでも早く役に立つように促成栽培しないと、現場の人手不足が解消されないのでしょう。

そんなディスクロージャーとは180度違う世界が在りました。( 過去形です )
70年代、京都の調理場。
新入りのヒゲは、先輩の作業を見に行きます。
すると、先輩 「 おまえ、何みてんの? はよ、あそこの鍋かたさんかい! 」
        ( 注釈: おまえは何をのぞいているのか? 見るな!
                   あそこにある鍋を早く洗って片ずけろ! )
厳然と、クロージャーな世界。
ヒゲは、遠く離れた洗い場で鍋洗いを始めるのです。
が、 ・・・・・・・
京都では、水道管だけ見て洗っていたら、何も得られない。
誰も餌を与えてくれないのです。
で、見習いヒゲは、鍋をいじりながら首を反対側に。
ほら、エクソシスト映画に登場する、憑かれた少女の首が180度回るみたいに。
                  
そうやって、視線は先輩たちの手元に注ぐのです。
                        
京都の調理場では、見てはいけない! しかし、見てなくてはならない!
          (  見るな!  しかし、ちゃんと見てろ! )
この相反する概念が、当たり前みたいに混在しているのです。
じゃあどうするのか?  そう! 盗む見しかありません。

やがて、T本さんから声がかかります。 「 オーイ! 片山、ちょっと来い。 」
冷凍エビの皮剥きの仕事が回ってきたのです。
「 この尾っぽの尖ってるのも取らなあかんでー 」
    
嬉しい! やっと、調理の作業ができる。 しかし、させて貰えるのは皮剥きまで。
包丁を持つことは許されません。

                            ~~~ つづく ~~~

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コメント (7)
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