一人で2局も指したヒゲは、急いで席を空けようとした時でした。
「 マ、マ、・・・ 待てえっ! もう一丁 」 と止められる。
こうして、怨念の第3局が始まり、前田くんは中飛車を選択した。
必死に長考を繰り返しながら指し手を進める。
しかし、まるで魅入られた様に、不注意な悪手で局面をマズくした。
苦吟しながら、ジーッと相手を見つめる。
『 この薄汚れた無名の高校生は一体誰だ?
熊本で全く知らない相手に、俺が負けるハズはないのに? 』
3局目は、やや短手数で投了した前田くんの顔は、真っ赤になっていた。
一礼して、ヒゲは立ち上がった。
その後、前田くんはプロ棋士になり、NHK杯戦ではまさかの谷川名人を撃破する等の
大活躍をして優勝したのでした。
その対戦相手の名人を、後に店のお客さまとしてお迎えしたヒゲ。
まるで物語みたいな、こんな奇な巡り合わせは、まさに人生劇場。
そして現在のヒゲは、そろそろ終活の時期。
少し心残りがあるとしたら、対局後に交流もなかった事ですか。
あの時、何の “ 感想戦 ” もせずに、ヒゲは直ぐに立ち上がり、道場を後にした。
なんて、マナーの悪い所作だったでしょう。
その後悔を、帳消しにしたい。
もともと、男の嫉妬(⁈)が因での番勝負。
しかし、時は流れ人生の黄昏時。
昔の “ 確執 ” は忘れて、酌み交わしたいものだ。
あの 『 2二角打ち 』 を肴にして、熱燗を一杯!
さぞかし美味いだろうな~ 😋
そうだ、熊日さんに企画してもらえないものかな!?
元々は、熊日の “あの記事” から派生した討ち入り事件(?)なのだから。
取材のタイトルは決まっている。
【 55年ぶりの再会 〜 恩讐の彼方の美酒 】
いかにも、文春的に煽る見出しではないか!? (笑)
対談のMCは、熊日のH木記者で良いだろう。
あいつも酒が嫌いじゃないヤツだし、しかもS高ときてるから資格十分。 (笑)
場所は練兵町に在る、え~えと、確か土の中に潜る生き物の名前だったが?
「 オケラや~ 」 ケラは土にもぐるのが好きな虫だもの。
しかし、三人とも大酒呑みばかりだからなぁ、店を出る時は “おけら” になって
帰るかもしれないな・・・? (苦笑)
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