或る日、田園調理場に入ると、棚に沢山の寒天が用意してあるのが目に入る。
その寒天を、板長がちぎっていました。
ヒゲ 「 そら何や? 」 と質問。
板長 「 はい、カボチャの裏漉しがこしこ在るけん、流しておこうと。 」
(注) こしこ→これだけ
ヒゲ 「 流し缶はどれば使うとや? 」
板長 「 はい、こっで行こうかと ・・・? 」
それを見たヒゲは、こう言った。
「 その用意してある寒天の半分で作ってみてん! 」
板長 「 は〜? コルのたった半分で、ヨカッですか? 😲 」
(注) コル→これ
ヒゲ 「 流し缶に流したら、そのまま棚に置いて触らない。
十分粗熱が取れたら、流し缶ごとラップして冷蔵庫に入れる。
そのまま、いじらず一晩寝せて、次の日に切り出してみて! 」
次の日、板長
「 マスター、ちゃんとビシャクリ(しっくり)固まってますよ! 」
例えば、ヒゲが新規の厨房で仕事を始めるとしたら ・・・・
手が空いたときに、計っておくべきチェック項目があります。
大中小サイズの流し缶の8割の容量。
使い勝手の良さそうな鍋の半分くらいの水量。
更には、柄杓の満タン時の水量等々です。
事前に計量してメモっておけば、仕事の能率・効率が随分違ってきます。
ソツ(無駄)が少なくなるのが嬉しいハズ。
当時に学んだひとつに、寒天一本は180×3=540 c cの水分を固める。
先程の流し缶の適正容量は分かってますから、逆算すると寒天の量は
自動的に決まる。
このスムーズさが良い!
後は、中身・具の種類によって、水の量を加減したり、寒天の量を増やせば
良いことになる。
料理人は勘ピュータばかりでなく、合理的な仕事も出来て欲しいもの。
「 酒の燗付けは何秒ですか? 」に、答えなかったヒゲが言うセリフかと、
お叱りを受けそうですが ・・・ 。
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