田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

丼物文化~板前丼

2017-07-19 22:52:19 | よもやま話・料理編
ヒゲの京都時代の話しです。
勤めていたH閣と云う料理旅館での、まかない飯はオッサンの担当でした。
御多分に洩れず、京都のまかない飯は悲惨なモノでした。
たまに、イワシの煮付けなる料理が登場します。
水と塩(!)で炊いてあるイワシには、閉口しました。
これが、居酒屋辺りで趣向と称して、飲みながらなら、諦めも付くでしょう。

ある時、タニさんが辛抱たまらず、
「 なあ、おっちゃん。 ちーとぐらい醤油使こうたらどうねん? 」 と。
おっちゃん曰く、「 あかん、あかん。醤油も砂糖も使こうたら、オヤジ(社長)が
うるさい、うるさい。 あんたら何か好きなもんしたらイイねん。 」
社長とは、以前ブログで、ゴミ箱(!)のスズキの頭をめぐってヒゲとばかいあったお方。
       ≪ 的ばかい祭り ≫       ≪ 注: ばかいあうとは、奪い合うこと ≫
  

しかも、旅館が忙しくなると、イワシも出ません。
白飯・漬け物・豆腐の味噌汁だけ。
漬物には、なぜか、いつも沢庵が入っています。

そんな或る日、E親方にヒゲが呼ばれ、コソコソと打ち合わせを。
その晩、ヒゲはおっちゃんに告げた。 
「 今日は遅くなるから、ご飯は俺たちでよそうし、ジャーだけ置いといて。 」
                     
そうして、調理場メンバーだけの夕食になりました。
献立は当然、白飯・漬物・味噌汁です。
透き通った味噌汁をすすった後、白飯をひと口食べた時です。
みんな一斉に、“ ニタリ ” としたのです。
中からウナギが出て来たからです。
                       
ヒゲがE親方から指示された“ 板前ウナ丼 ” です。
丼の底に少量のご飯を敷き、その上にかば焼きの鰻を乗せ、
更に、鰻が見えない(!)様に、ご飯を乗せるのです。
          
栄養失調寸前の部下への、親方の心配りでした。
この丼は、不思議な所があります。
地焼きの鰻を、温かいご飯で挟む。
すると、保温も効くけど、関東風の蒸した(!)ような効果も少し感じられたのです。

田園の店では、一度だけ “ この丼 ” を作った事があります。
但し、従業員にではなく、お任せコースのお客様にですが。
茶わん蒸し型サイズの器を用意して、前述の様に丼を仕立てます。
客には、ただ単に、「 ご飯で御座います 」 とだけ言うのが味噌。
暫くすると、みんな一斉にニタリ顔で 「 ヒゲに、いっぱい喰わされた! 」 と。
念のため、お願いが。        
アノ鰻大好きヒフミン先生に、決してこの献立を教えないで下さい。
所構わず、「 板前丼を下さい!? 」 ってえ言われたら、お店が迷惑しますので。 (笑)

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2 コメント

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悲しいマカナイ (batten)
2017-07-19 23:46:02
マカナイは個人店のオーナーも食べるって店が結構マトモだと思います。

簡単で手っ取り早いのが丼物。
私は60人分のカツ丼を一発でやっていました。

私共のようなホテルでは、洋食で冷製部所2箇所、温製1箇所、他に和食やら中華やら製菓に寿司部などなど。
それに、バイキングのレストランの味のチェックしたら腹一杯になりますね。

それでも、若い衆が作るマカナイ料理
美味しい時もあれば不味い時もありますが、口出すのは2番手までと思ってます。

時分の高い国産鰻で、バルサミコ風味の鰻飯が出たときはドキっとしましたが
米一升に、酢と上白と塩が、一合強:150g:50g&オリーブオイルの洋風シャリなら美味いです。

帰熊の辞令がまたも無かった私は、祇園さんのクソ暑い空気を感じてましたね。





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マカナイも大変? (ヒゲ)
2017-07-20 12:34:49
以前のブログに記した様に、田園の店では年配の従業員が多い為、丼献立は不可に。白いご飯の上に、何かをのせる事に抵抗がある世代。丼物は、早食いを催促されてるみたいで、嫌だったのでしょう。分からんでもありません。
多かったのは、鍋と焼き肉。同じ釜の飯を食う感じを
醸し出すのが目標でしたが、なかなか上手くは、いきませんでした、汗。
その、洋風シャリ、おもしろそうですネ。今度やってみます!
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