私が 山登りを趣味とするようになったのは 昭和40年初め、20歳の頃だ。 そのころの山登り、今 若い人も、中高年の人々も趣味にしている登山、昭和初期の頃の登山 そしてそれ以前の登山は その時代時代の登山のスタイルが全く違う。
私が個人で山登りを始めた頃は山岳関係の書籍が次々と出版され 私はそんな本を次々買って読んだ。 山に登るのは ほとんどガイドブックと地図を購入してそれを頼りに山登りをした。そのころ行ったのは 夏や秋の北アルプスが主だった。 時々 ミズノ主催の夏山映画祭などが開催され それらを見に行って胸を躍らせ 会社帰りに本屋に立ち寄っては山岳関係のコーナーで立ち読みしたり 登山家などの山紀行 遭難の回想記録 その他多くの山物語 山岳世界の歴史 当時の著名な写真家の山岳写真集 などを買っては夢中になって読んだ。 山小屋の人たちとの交流も深く 登山だけでなくそういう人達に会い いろんなことを見聞きするのも楽しみだった。 登山のエキスパートたちが 外国の山を初登頂したニュースも流れ 私もいっぱし、ニコンの一眼レフカメラを買って登山プランに夢中になったものだ。最近は本屋さんに行くこともないが 今も山岳図書は出版されているのだろうか?
最近の登山は 私が目にするところでは エキスパートはヒマラヤなど海外の山に出かけ 山の初心者は テレビで放映される「日本百名山」をみて踏破する人が増えた。私が知る限り 百名山を最初に有名にしたのは 1996年当時アシックスに勤めておられた重広恒夫さんが百名山を123日で踏破したというニュースだった。それまでにもNHKでは相川浩アナの「日本百名山」の放送があったが その後、登山家岩崎元郎さんがNHKで紹介して急に百名山ブームになったように思う。NHKBSなどでは 百名山の情報を美しい映像で紹介するが それはたいてい地元のガイドなどがその地を案内する。50年前は今のように日本には山岳ガイドという職業はあまり聞いたことがなく、知っているのはせいぜい 明治、大正 昭和初期に大学山岳部などの登山をサポートする地元ガイドぐらいしか知られていなかった。
今のように服装も靴も高性能なものはなく 私なども キャラバンシューズを履いて 雨具はナイロンのポンチョをかぶって雨の中を歩いた。あれから50年。 私の本棚には 当時買った山岳書籍やボロボロになった地図・雑誌が並んでいる。どれを見ても懐かしい。 しかもこれらの本は 今では手に入れることができない、私にとって大切なものばかりだ。 しかし 山登りに興味のない息子たちにとっては ボロボロになったこれらの本はすべて廃棄することだろう。山好きの人たちが昔の山岳世界を知るためにも どこかで役に立てられないかと思うのだが。 もっとも 素人がこづかいで購入したものだけなので 大したものではないのだが、、、 今また読んでみると面白い。
ps:
いままでにいろいろと終活を身近なところからしてきた。 その一つが 図書の整理だった。今確認してみると雑誌はすべて廃棄していた。そういえば 1年ほど前に 雑誌類は思い切って捨ててしまったのだ。 今思うと惜しいことをした。(未練がましい・・・・・) 単行本はすべて残してある。この本達の処遇を考えよう。
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