ニュースなどで御存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、カーリング日本選手権は決勝戦で中部電力がチーム青森に勝って優勝しました。
オリンピック種目にもなっている競技の日本一を決める試合なのに全国中継されなかったのは、その競技をやっている一人としては残念ですが、そもそもカーリングがテレビ中継に向いているのかを考えてみました。
バレーボールがサーブ権があるチームに得点権があったルールからサーブ権に関係なく得点を得るラリーポイント制に変わったり、大相撲の仕切りに制限時間が設けられたり、これらは試合時間を安定させて放送時間に収まることを考えて設定されたルールだそうです。
では、カーリングはというと、10エンド(エンドは野球のイニングに相当)の試合では各チームに72分ずつの持ち時間が与えられ、それぞれのチームが使っている時間をカウントダウンさせてこれを使い切ってしまうと負けになってしまうルールになっています。今回の日本選手権でも常呂協会がチーム青森戦でタイムオーバーによる負けになっています。
それならば、72分×2の144分で試合がきちんと終わるかといったら、そうではないのです。
私が観戦した3年前の日本選手権では慢性的に試合時間が延びていました。
どちらのストーンが中心に近いかを目視で判断できない時に審判が計測したり、けが人がでたりしてのロスタイムもありますが、一番の原因は延長戦。
カーリングは最後のストーンを投げられる後攻が有利ですが、点を取ると次のエンドは先攻に回るので相手チームが有利な後攻になります。このパターンを繰り返すと、交互に点を取り合う展開になって10エンド終わったら引き分けということも多く延長戦(エキストラエンドという)になる可能性が大きいのです。日本選手権が開催される会場は大抵4シートあるので、1シートでも延長になると次の試合開始も遅れるという事態になります。
さらに、日本選手権では全チーム総当たりの予選リーグの上位4チームが決勝トーナメントに進出しますが、「同率の場合は試合に勝つ以外の方法で準決勝に進むことはできない。」という規則があるのです。得失点差とか直接対決の結果とかで決めるのではなく、試合をやって勝たないと準決勝には進めないのです。そこでタイブレークという準決勝進出決定戦を行うことになっているのです。試合日程的にはタイブレークの時間もとってありますが、中継となると難しそうです。
総合的に考えると、決勝戦1試合だけを中継することならできそうですが、それよりも視聴者が見たいというニーズが上がるようにすることの方が重要なのでしょう。
そんなことを思いながら、昨日はスクールの講師をしていました。
写真はバス停の屋根に積もる雪(千駄ヶ谷駅前にて)