10月20日の土曜日、川崎市高津区の糀ホールで開催された「うたの国創立記念祭2012」でナレーターをやらせていただきました。
「うたの国」とはシンガーソングライターの堀川ひとみさんが設立した会社です。歌とピアノを続けていた三年ほど前にアスペルガー症候群という発達障がいがあることが発覚したひとみさんは、その理解を求める歌も多く作っていらっしゃる方で、ピアノも歌唱力もなかなかのものです。
一ヶ月ほど前にひとみさんから「ナレーターをお願いしたい」と話があったのでした。企画も準備もひとみさんと周囲のファンの人たちで行う手作り感覚のライブなので、ナレーション原稿のほぼ決定稿が出来上がったのが本番当日の三日前。長さは15分程で、朗読なら最低でも一週間はないと読めるようにならない長さです。ただ、朗読の場合は小説にしても詩にしても“読む”ことを前提として書かれていない文章なので、それだけの期間が必要ですが、ナレーション原稿は“読む”を前提にしてあるので何とかなりそうです…と自分にプレッシャーを掛けないように心がけながら読みこんで当日を迎えました。
当日は準備もあるので朝8時半に会場入り、一度だけ来たことがあるホールに足を踏み入れると「あれっ?こんなに狭かったっけ?」という感覚でした。狭く見えるということはそれだけ緊張していない証拠と、これまた自分に都合よく解釈しながら、会場準備に取り掛かりました。
そして、リハーサル。ここで読み込みの練習ではやっていないプロジェクターの操作が加わって来るのですが、自分のパソコンとも勝手が違うし、緞帳の動きと操作のタイミングを何度もやり直して本番を迎えることになりました。
開場は予定の5分押しで、お客さんがどっと入場してきます。自由席なので遠慮なく私の立ち位置の真ん前にお座りになられる方もいらっしゃいます。開演30分前と15分前にアナウンスを2回。本番中のナレーションがはっちゃけているのでこちらはシリアスな感じにしました。
5分前アナウンスをして、開演のスタンバイ。ちょっと遅れ気味に緞帳が上がって開演。スクリーンには映画のオープニングのように出演者とスタッフ、関係者の名前がスーパーインポーズされる。私の名前が2番目に出るのはちょっと恐縮です(*^_^*)
ここまで順調!
Scene1は8曲あって、その後が私のナレーション。
「うたの国の歴史」といううたの国設立の経緯の説明と「うたの国 決算編」なんですが、「みなさん、人差指を額に当てて肉と書いてくださ~い」とか軽~いノリなので、あとで「やってて恥ずかしくなかったですか?」と聞かれましたが、朗読では子供になったり老人になったり使いなれない地方の言葉でまくし立てたりしているので、特に気にするまでもなかったし、途中からはお客さんの笑いもよく聞こえたので落ちついてできました。もっとも、読み込み不足は隠せずに何度か噛んでましたが、これは私の責任(・・;)
あとは終演後のアナウンスまで出番はないので、ステージ下の最前列で待機していましたが、私が語ったのはアナウンスも含めてせいぜい20分程度なのに対して、延べ2時間以上もピアノの弾き語り&唄を演じているひとみさんは本当に凄いと再認識しました。
続く二次会ではアトラクションの「ひーたんのそんなんわかるかクイズ」(ひーたんとはひとみさんのことです。)の司会進行を担当。これこそぶっつけ本番でしたが、スタッフみんなでフォローしあって、無事に終えることができました。
かなり危なっかしい橋を渡り切ったような感じでしたが、みんなで乗り越えた達成感を味わえたのは久し振りで満足な一日でした。