先日、江戸川文化センターで開催された「江戸川落語会」に母と行ってきました。25年前に江戸川区で本格的な落語会をつくりたいという発想のもと、江戸川区で育って今も暮らしている橘家圓藏師匠の協力で始められた落語会です。今回が100回記念特別講演ということで、春風亭ぽっぽさん、林家たい平師匠、春風亭小朝師匠、春風亭昇太師匠、江戸家猫八師匠、立川志の輔師匠という超豪華な出演者でした。
最初の演者は若手女性噺家の春風亭ぽっぽさん。小朝師匠の三番弟子で舞台女優をされていたのが勉強のために落語を学んだところ、もともと好きだったこともあって本格的に落語家を志すことになったそうです。人生、何がきっかけになるかわかりませんが、何事も経験してみると道が開けるものなんですね。知ったかぶりをする和尚さんとそれをからかう小坊主のやり取りをテンポ良い語りで演じてくれました。
林家たい平師匠は「笑点」の楽屋ネタから、浅草寺での生き倒れを知人と思い込んで本人を呼んできてしまうというとぼけた話を語りましたが、この楽屋ネタ、当人たちには聞かせられないような内容・・・「上下関係が厳しい世界でこんなこと言って大丈夫なのだろうか。」と思ってしまいました。
春風亭小朝師匠は政界や芸能界の話(これも放送では使えそうにない楽しい話)を枕に、とぼけた男に長屋の自殺者の番をさせるというちょっとコワイ話へ。でも、それをしっかり笑い話にしてしまうのですから、さすがです。2人の会話のやり取りを間髪いれずに、それとわかるように演じる・・・プロの噺に感心するばかりでした。
春風亭昇太師匠は相撲の話。病気の大関の替え玉に仕立てられて巡業に駆り出された提灯屋の主人が巡業先の草相撲のつわものと対戦させられる噺を臨場感たっぷりに語ってくれました。
ものまねの江戸家猫八師匠は白鳥、鶯、朱鷺などのものまねを実際に動物園で稽古した話を交えながら演じてくれましたが、同じものまねでも先代とは違った持ち味を出す努力をされているのがよくわかりました。
“取り”は立川志の輔師匠。長屋のとぼけた男が、殿に嫁入りした妹が世継ぎを産んだことで屋敷に呼ばれる話で、笑わせながらも家族思いの男にしんみりとさせられる語りでした。
私にとって、本格的な落語を生で聞いたのは初めてでしたが、噺家さんと客席との一体感が味わえて楽しく聞くことができました。また、機会があったらいってみたいと思います。そして、すぐに完売してしまったチケットを取ってくれた母に感謝ですm(__)m