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ひねもす朗読会~そら庵最終回~

2015-08-23 23:09:13 | アート・文化
3ヶ月に1度のペースで開催されてきた「ひねもす朗読会」は、隅田川の畔にある「そら庵」を会場としてきましたが、その「そら庵」が2015年9月で取り壊されるため、この8月22日が「そら庵」での最終回となりました。



下町の印刷工場だった建物がイベントスペースに生まれ変わったお店は、木枠のガラス戸、木とコンクリート張りの床、古いオルガン、冬には火が入れられるアラジンの石油ストーブなどが独特の雰囲気を醸し出していました。











そして、私にとって懐かしさを感じさせるのが天井。建て替える前の実家のキッチンの天井と同じ天井板なのです。



私が初めて教室以外で朗読したのもこの「そら庵」さんで、気取らずに語れる雰囲気に緊張感をどれだけ和らげてもらえたか知れません。

今回が「そら庵」での最終回と聞いて、演目選びには迷いました。

まず、思いついたのが、初めて語った作品「僕が20世紀と暮らしていた頃」野田秀樹さんの著作でしたが、1度語った作品を数年の時を置いて語るのは、「前と変わってないじゃん!」と言われないだけのレベルアップが求められるので、勇気が要ります。

次に、「そら庵」さんの地元にまつわる話。「そら庵」さんの地元は「のらくろ」を描いた田河水泡氏の所縁の地で、「のらくロード」と名付けられた商店街があります。漫画を朗読の題材にするのは難しいので、田河氏の奥様のお兄様の「小林秀雄」氏が「漫画」というタイトルでのらくろと田河氏のことを書いた作品があったと記憶していたので、それを探そうと、図書館で20冊近くある「小林秀雄作品集」を片っ端からめくってみたものの、見つからず断念。。

3つ目に思いついたのが、「二十四の瞳」。この長編小説を20分に要約できないかと、これまた図書館へ借りに行くと、一般向けは貸出中で児童書ならありますとのことで、児童書の方を借りてくると、当たり前だが、漢字という漢字にルビが振ってある。朗読のときには意味が繋がった部分を切らないように書き込んだり(もちろんコピーに)するですが、このルビが結構邪魔である。で、肝心の要約ですが、朗読会までの限られた期間に長い長い小説を10分の1に圧縮して、読み込むのは至難の業である。結局、「二十四の瞳」の第一話「小石先生」を読むことで落ち着きました。
しかし、「小石先生」の章だけでも、普通に読むと30分かかるのです。これを20分で読めるようにカットすることにしました。割愛とはよく言ったもので、話の辻褄が合うようにカットするのは難しかったです。参考にと、映画のDVDを借りて見ましたが、主演が高峰秀子で、笠智衆浦辺粂子田村高廣といった豪華キャスト振りにあらためてびっくり!作品を味わう余裕もなく、原稿のコピーに書き込んだり消したりを繰り返して、ようやく読むための原稿を完成させました。なお、先ほど、邪魔と書いたルビですが、女先生を「おんなせんせい」と書いてあるところと「おなごせんせい」と書いてあるところがあって、この使い分けがわかりやすかったことはメリットでした。

そして、迎えた当日、いつものように「そら庵」の引き戸をくぐって中に入ると、最終回という雰囲気はなく、いつもの「そら庵」の光景でした。

・当日の演目
誉田哲也「武士道エイティーン」
フィリピンのむかしばなしより「人魚」
竹下文子「風町まで」
大川悦子「おかあさんの木」
紫夏~バロン小次郎~「命のリレー・君がいて僕がいた」
山川方夫「夏の葬列」
色川武大「蛇」
壺井榮「二十四の瞳」より「小石先生」
いしいしんじ「いしいくん食堂」
ロアルト・ダール作 灰島かり訳 へそまがり昔ばなしより「シンデレラ」

カレーもこれで食べ納め。。



ハーブティー




で、朗読ですが…
練習では間違えなかったところでつっかえるなど、朗読の難しさをあらためて痛感・・・(上達せんなぁ~)、落ち着いて読めるように、もっと頑張ります!

終わりに、「そら庵」さんへの感謝の言葉を全員で群読、色紙の寄せ書きとともにプレゼント。店主の明子さんは「そら庵」は閉店しても、情報誌の制作などの活動は続けてゆくということで、「今後もどこかでお世話になります。」とあいさつして、「そら庵」を後にしました。

そのあと、徒歩15分ほどのところにある次の会場候補のお店へ行きました。商店街にあるガラス張りのお店は、素敵な雰囲気で「そら庵」ほどの気楽さはありませんが、充分語れそうな雰囲気でした。そう感じるのも「そら庵」で場数をこなしたからこそでしょう。

「そら庵」さん、ありがとう!
コメント
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