流謫のあなたとは云え、あなたのやさしさに、
心惹かれ、顔見ぬ命を持つ私に、
命令となれば従わざるを得ないのは判っていても、
古庄郷の他家に、嫁げとは余りに心ない仕打ち。
心惹かれ、顔見ぬ命を持つ私に、
命令となれば従わざるを得ないのは判っていても、
古庄郷の他家に、嫁げとは余りに心ない仕打ち。
煌々と冴えわたる月夜の庭。
嫁ぐ前夜、最後の別れの挨拶に訪れ、
「私の子と分れば、その子の命はない、
お前の親御にも非が及ぶこともあろう、
わしはつらい!阿波姫!
この世からお前がいなくなることがつらい。
生き伸びて、会えると思えば、何年この島に暮らそうとも、
辛抱できる。生きていてくれまいか!」
頼朝の真意を理解し、
阿波姫の顔から悲しみと恨みが消えた夜。
嫁ぐ前夜、最後の別れの挨拶に訪れ、
「私の子と分れば、その子の命はない、
お前の親御にも非が及ぶこともあろう、
わしはつらい!阿波姫!
この世からお前がいなくなることがつらい。
生き伸びて、会えると思えば、何年この島に暮らそうとも、
辛抱できる。生きていてくれまいか!」
頼朝の真意を理解し、
阿波姫の顔から悲しみと恨みが消えた夜。
源頼朝は伊豆の蛭が島に流され、
近侍者の娘の、
高く盛り上がった細い目は潤んで、
川のさざ波を思わせる美しさに、
近侍者の娘の、
高く盛り上がった細い目は潤んで、
川のさざ波を思わせる美しさに、
こころを奪われた利根局を、
頼朝は「阿波姫」と呼び親しんで親しんでいた。
榛名山から遠くかすむ武尊山、
1192年鎌倉幕府を開き、日本の顔になった、頼朝、
日本武尊が碓氷峠に登り、東国を眺めたと聞いて、
翌年、武尊山の麓にと馬に鞭をあてる。
夕闇の武尊山の麓、群生している白いユリの芳香に、
一輪の百合を持つ女。
阿波姫。
1192年鎌倉幕府を開き、日本の顔になった、頼朝、
日本武尊が碓氷峠に登り、東国を眺めたと聞いて、
翌年、武尊山の麓にと馬に鞭をあてる。
夕闇の武尊山の麓、群生している白いユリの芳香に、
一輪の百合を持つ女。
阿波姫。
二人を遠ざけた、20年の歳月を風がさらい、
阿波姫の頬に、光る伊豆の蛭が島で見せた「月の雫」が、
溢れた。
『源氏復活のために、旗印の白に、願いが届きますようにと、
百合を植えました、
もうこんなに増えてしまいました』
頼朝の妻、北条政子の二番目の子、乙姫の乳母に、
中原親能の妻が呼ばれた。
阿波姫の子、大友能直を養子にした方。
頼朝は、乙姫の乳母から、
わが子の様子を秘かに聞いていた。
大友能直から八代目の、
大友氏時。
武尊山の麓、群馬県川場村に1338年、吉祥寺を創健する。
花の吉祥寺。
訪れては、と、山の師匠の好意を受け、
訪ねて良かった、心、改まった12月8日。
枯葉が雪だまりを覆っていた日でした。
阿波姫の頬に、光る伊豆の蛭が島で見せた「月の雫」が、
溢れた。
『源氏復活のために、旗印の白に、願いが届きますようにと、
百合を植えました、
もうこんなに増えてしまいました』
頼朝の妻、北条政子の二番目の子、乙姫の乳母に、
中原親能の妻が呼ばれた。
阿波姫の子、大友能直を養子にした方。
頼朝は、乙姫の乳母から、
わが子の様子を秘かに聞いていた。
大友能直から八代目の、
大友氏時。
武尊山の麓、群馬県川場村に1338年、吉祥寺を創健する。
花の吉祥寺。
訪れては、と、山の師匠の好意を受け、
訪ねて良かった、心、改まった12月8日。
枯葉が雪だまりを覆っていた日でした。