春. 夏. 秋. 冬. 河童の散歩

八王子の与太郎河童、
つまづき、すべって転んで、たちあがり・・。
明日も、滑って、転んで・・。

キスミー(霧積)、僕のストローハットは

2018-02-02 22:13:00 | Extra

                 ☝ 碓氷峠安中眼鏡橋、(明治26年竣工)

ぼくの帽子  

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。


母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。


母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?

そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。



母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、

あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。

黒字・昭和22年刊「西条八十詩集」西条八十(明治25年生まれ)





☟ 霧積温泉、金湯館

おっかさん、僕のあの麦わら帽子、
どこへ行ったんでしょう?
・・・・?
あの帽子ですよ。
何言ってんの、とっくに捨ててしまったわよ。
汗のカビが生えた帽子、いつまで取っってるというの?
一刀両断、グッ、の音も出ない、切り返し。
3人の、兄、姉、兄には愛情たっぷり、
忘れたころ、ひょっこり出てきたという私には、

裁縫しているか本を読んでいるか、
子育てに興味のない親。それが私のお・や!
まったく!

森村誠一氏「人間の証明」
キスミー(霧積)は、
アメリカハーレムに住んでいた青年の、
父と母がひと時を過ごした場所。
「僕のあの帽子は・・」のキッャチフレーズは・・・
=見たことがない日本人の母。
が・・・。

間もなく暇ができる、暇、ひま。
そうしたら映画岡田茉莉子さんが放った、
朝焼けのストローハット、真似てみよう~か!



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