10年ほど前の教則本の歴史には紀元後92年の出来事を、「ブドウの栽培禁止令を出されるが、あまり守られなかった。」皇帝の命令で植民地に対して出されたと書かれてあったと記憶をしています。
その当時はドミティアヌス帝の治世の時代です。帝国内に侵入してくるダキア人と戦争はあったが、前帝が実施した正確な国勢調査のおかげで税制が安定した時代でもあり、大きな苦労のなかった皇帝だったと記憶をしています。
古代ローマの皇帝は絶対君主ではありません。皇帝令であっても議会である元老院の多数がなければ、施行されることはなく。本国以外に適用されるとなれば、緊急事態か個別の案件であるとしか考えられません。ちなみに、ローマ人物語の中では、92年の出来事には触れられてはいません。
10年前にソムリエの呼称認定を受験しようと思い立った時、92年の出来事やイタリアに関する知識が乱雑に扱われていた印象を受けました。当時のイタリアンの状況を考えると、ワインに係わる者に求められる専門的な知識やサービスに、業種の垣根はないと思っていますが。イタリアに関しては知識その3、その4くらいの扱いをされているようでした。フランスワインを扱う環境を優先されていることはJSAの成り立ちから考えても当然だと思いますが。イタリアのワインを中心に扱う私としては、頑張った結果に頂くバッジだとは到底思えなくなり、わが道を行くことに決めた次第です。
続く