今回抜栓したイタリアワインは、C.O.F. メルロー “ヴィーニェ チンクアンタアーニ”(Colli Orientali del Friuli Merlot “Vigne Cinquant'anni”)です。このワインは現在のインポーターが取り扱い始めの時は、リストにあったのですが。いつの間にかリスト落ちをしていたワインです。初めて試飲した時はメルローにしては随分と硬い味わいであったように記憶をしています。時が過ぎ、色々なメルローに出会う機会に恵まれ、次第にフリウリのメルローをリストに加えなければと考えるようになりました。それと、トレ ヴェネツアのワインに徐々にシンパシーを感じるようになったからです。
ミニ試飲会にお披露目してくださいと担当にお願いしていたのですが。無理をして提供してくれることになりました。
外観はメルローそのもの、香りも上々、味わいもほぼ仕上がっていると思いました。難を言えば、ミッドレンジに厚みが出てくれれば、ふっくりとした味わいに抜群の存在感を感じさせてくれるのではないかと思いました。何といっても苦味に旨味を感じました。コメントは下記のようにするつもりです。
「コーヒー、スグリ、マラスキーノ チェリー、なめし革、ココアの香りを扇情的なスパイシーな香りが包み込んでいるようです。柔らかさが幾重にも巻きついた酸と存在感があり滑らかさだけが溶融したようなタンニンに静穏な苦み、芳ばしく曇りのない清純な果実味、暗く深く澄んでいる凄艶な味わいは、フレッシュで心地よさを憂わしげに包み込むようなアフターテイストに長い余韻が続きます。」