イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ボーカ 1999

2014-05-13 10:12:28 | ブログ

Boca_2 今回抜栓したイタリアワインは、ボーカ(Boca)1999です。産地はバローロの北部にあり、ゲンメやガッティナーラに隣接しています。若い時は酸が強すぎるこのワインは9年間のエイジングで、ようやく私好みになりました。味わいは好みの問題といわれますが。私は調和のよい味わいであると感じることが大事であると考えています。
ワインのコメントには、イチゴの香りをシトロン、スグリ、甘草の香りを一刷したような香りとありますが。シトロンの香りをイチゴの香りのオブラートで包み込んだような香りと書き換えたい思いにさせられます。そのように思わせるほどに柑橘系の飲み物に感じられました。それに、酸も柑橘系を彷彿とさせます。こうなると穏やかなタンニンの存在感を、ぼんやりしていると感じるか、ほのぼのと感じるか意見が分かれるような気がします。このワインのコメントを書くために、試飲していた時、目立つ酸の強さをタンニンが悠然と抱き抱えているような印象がありました。しかし、ここまで酸に円みが出るとタンニンは支える必要がなくなり、春の柔らかい日差しを浴びるようにノホホンとした感じになるのかなと思いました。それに、ワンポイントに来る苦みの美味しさは格別です。
外観はまだ若く、くすんでいません。味わいも張りがあります。9年間のエイジングが報われた思いでいっぱいです。