イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ワインの格付けI.G.T.の生まれた背景

2013-02-08 10:34:18 | ブログ

先日、気になっていたワインショップにワインを眺めにいってきました。そこでは、たまたまイタリアワインの格付けの話をしているところに出くわしました。何気に聞いていると、それでいいのかなと思いました。ユーロの中では、いろいろな分野で規格の統一がされています。ワインに関しては2009年8月1日付実施で、上級ワイン(D.O.C.GとD.O.C.)と並みのワイン(I.G.T.とV.d.T.)の2クラス4区分が整理されて、地理表示のあるワインI.G.(D.O.P.とI.G.P.)と地理表示のないワインVinoの2クラス3区部になっているはずです。フランスやドイツもクラス分けは同じです。ただし、従来の規定が残っているものの、I.G.もしくはVinoのどちらかのクラスに合致するよう規格の変更がなされています。要するに、原産地(産地、品種、収量、期間)呼称を保護、産地表示を保護、瓶詰めされた国を保護と考えればよいと思います。メモを取っていた聴講者のノートには、このようには書かれてはいないと思います。注釈すべきはユーロ内の統一された規格ルールを説明しなければならないと思いました。

この中で、I.G.T.(I.G.P.の以前呼称)の扱いが問題になります。確かに並みのワインにはなっていますが、Indicazione(表示)Geografica(地理的)Tipica(典型的な、特色ある)の内容を見れば解ると思いますが。地理的表示のあるワインである事が解ると思います。一つにその場の話の中に出ていた、スーパー タスカンの説明においても、この部分が解ってないために、生まれた背景や経緯を説明しきれずに消化不良になっています。おそらく聴講者も、規定の中身が言葉だけのD.O.C.G.・D.O.C.・I.G.T.の羅列になっていると思います。この事は、I.G.T.の規定が生まれた背景を理解していないためです。このショップにはソライアが並べられています、それを見ると心中複雑な思いがしました。

以前に某ワインの教則本の間違いを指摘した事がありますが。話の進め方や解説が似ていると思いました。ちなみに、13年度版を見ましたが、D.O.C.G.・D.O.C.の一覧表での総数は変更になっていましたが。その中に、Montepulciano d’Abruzzoに赤とロゼがあると書かれています。しかし、Cerasuolo d’Abruzzoの扱いをMontepulciano d’Abruzzo Cerasuoloとしてロゼもあると解釈するのか、Cerasuolo d’Abruzzoとして独立したカテゴリーにするのか、注釈がありません。塩田正志 著書「イタリアワイン」の中でもあやふやな扱いになっていますが。イタリアのlaVINumのサイトの中では独立した項目になっています。注釈くらいは付けておくべきだと思います。なお、それ以外の指摘した箇所は校正されておらず、そのままの状態です。それにしても、イタリアワインがどうでもよい存在ならば、余計な解説はしてほしくはないと思っています。


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1 コメント

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2010年に Cerasuolo d’Abruzzo は独立した DOC に... (katabami)
2013-02-18 16:36:00
2010年に Cerasuolo d’Abruzzo は独立した DOC になり、Montepulciano d’Abruzzo にロゼはなくなりましたが、ソムリエ協会の手抜きから2013年版日本ソムリエ協会教本でも Montepulciano d’Abruzzo にロゼがあるように書かれています。
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