瓜図二所物 (鐔の歴史)
瓜図二所物 無銘後藤乗真
瓜の図も多い。かつて、古典文様の一つでもある唐草文に、永遠の生命が示されていると説明したことがある。健康で長生きは総ての人間の憧れである。永遠に繰り返される植物の再生と夏場の蔓草の繁茂は、まさに永遠の生命を暗示する、憧れの象徴でもあった。瓜はまた、たっぷりと甘い水分を蓄えて人々も喉を潤す。絵に描かれないほうが不思議なくらいだ。同様に蔓性植物として良く描かれたのは葡萄。普通の植物さえ蔓草のように表現されたのが美濃彫である。この二所物は、赤銅地を高彫として金のうっとり色絵を加えた正確で精密な描写。黒と金の二色だけだが、無限の色彩さえ感じられる。剥げたうっとりのしたの表情も楽しんでほしい。
瓜図二所物 無銘後藤乗真
瓜の図も多い。かつて、古典文様の一つでもある唐草文に、永遠の生命が示されていると説明したことがある。健康で長生きは総ての人間の憧れである。永遠に繰り返される植物の再生と夏場の蔓草の繁茂は、まさに永遠の生命を暗示する、憧れの象徴でもあった。瓜はまた、たっぷりと甘い水分を蓄えて人々も喉を潤す。絵に描かれないほうが不思議なくらいだ。同様に蔓性植物として良く描かれたのは葡萄。普通の植物さえ蔓草のように表現されたのが美濃彫である。この二所物は、赤銅地を高彫として金のうっとり色絵を加えた正確で精密な描写。黒と金の二色だけだが、無限の色彩さえ感じられる。剥げたうっとりのしたの表情も楽しんでほしい。