この町の町長 あの人がお父さんだよ

うちの子をあそこの家の子といっしょにしないで

というのも、

行儀のよいおりこうな子も、他者に危害を与えることが日常化するようになり緊急分離措置の避けられなくなっている補償責任の生じている子も、町内の児童すべてが町長の子みたいなものだ

というのも、誤りではない。

あそこの家の子といっしょにしないでという姿勢が誤りでないのは、強力な権限を行使できる機関とは異なり、あまりにも無力、非力な一般世帯のうちの一世帯であることがわかりきっているから、身を守れる範囲で最大限の主張を行っているにすぎない。

自分の身は自分で守る、世帯の身は世帯内で最善を尽くす。

専門的な相談所とは異なり、興奮の続いている他の世帯の児童の面倒はみきれない。責任を負えない。世帯での負担能力を超える児童問題を抱えきれない。これは一般世帯においてはごく当然の正常な判断です。

預かった児童が人ひとり刺したというたんびに補償責任を代理することができていたとしても、預かった世帯は社会から抹殺されることが避けられなくなるものだといえます。