toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「姥捨て山戦争」 松本博逝

2018年04月20日 | 読書日記
キャッチコピーを読んで、日本の未来に起こっても不思議じゃない(けど絶対に起こりえない)筒井康隆あたりが書きそうな一種のアンチテーゼのような物語なのかと思っていたけれど・・・。

タイトルのテーマで物語が動き出すのは真ん中くらいから。
それまではひたすら主人公の告白だけが続く。
これが利己主義で軽薄で、とにかく読んでいて嫌悪感しかない代物。
なるほど・・と思う部分も一部あるけれど、読むのが苦痛でしかない。
西村賢太を読んでいるような気分だった。

中盤すぎ、革命が起こってようやく本来のテーマの物語が始まるけれど、ここまででもう主人公にすっかり嫌気がさしているから読みたくない指数がかなり高くなている。
でも、小学生の教科書みたいな構成になっていて物理的には読み易いので何とか読み進めていった。

後半は前半以上にかなりどぎつい内容で、それをオブラートで包むことも無くストレートに書いてあるけれど、前半のいやらしさですっかり慣れてることと、そもそもの設定がそうであることから、それほど嫌な気分になることも無く読めた。
と言うよりあまりにバカバカしすぎて現実味が無いからか。

最後は強烈なブラックだけど、想定内。
もうこの作家の作品は読むことは無いと思う。

最後に一言。ページの番号表示が文章とくっついていて非常に読みにくい。






ロックウィット出版
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