toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

星間商事株式会社社史編纂室 三浦しをん

2012年12月15日 | 読書日記
今回の本屋大賞を受賞した三浦しをんの旧作。
彼女の作品ははじめて読んだが、この作品は群れようこの文体で城山三郎が書いたような小説(笑)。
社史編纂室のメンバーが、会社の暗い過去を暴きだすという堅い話が、軽快でユーモアあふれる文体で描かれる。
社史編集室のメンバーをはじめ、登場人物のキャラクターも良く考えられてる。
お勧め度100%。


筑摩書房 1500円
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有限と微小のパン 森博嗣

2012年12月15日 | 読書日記
ブックオフの100円コーナで、何も考えずに厚さで選んだ本。
34mmで目立ってました。

内容はミステリー。
主人公達は同じ大学の工学部と医学部の女子大生3人組。
探偵役は工学部の助教授の犀川。
ちなみに著者も工学部の助教授らしい。

ストーリはありきたり。
トリックは何だコリャ!。
謎解きは何の脈絡も無く「実は前から気づいていた」のパターン。
しかし、状況設定には作者のコダワリ満載。
ストーリに直接関係無い部分にも工学部助教授らしい薀蓄や考察が登場する。
そこは読み飛ばしてもまったく問題ないけれど、工学部出身の私としては気になってイチイチ検証してしまうのでなかなか先に進めなかった(笑)。
ただ、ちょっとオタク過ぎる傾向が・・


講談社文庫 1143円
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美濃牛 殊能将之

2012年12月10日 | 読書日記
作品についても作者についても、何の予備知識も無く読み始めた。
普通の本なら一冊分位読んで、ストーリーが面白くなりかけた頃、殺人事件が起こって、この小説がミステリーであることが分った。
連続殺人事件と意外な結末。
ミステリーの王道と言った感じの作品です。

ストーリーとは何の関係も無いジャズの話がさり気無く出てくるとことは良いけれど、俳句の話が延々と続いたり、作者の薀蓄を披露するだけに有るような会話がやたらに有ったり。。
特にプロローグとエピローグは要らない。
770ページ(厚さ3cm)の本だけど、実質的なストーリーは半分で済みます。


講談社文庫 1038円
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阪急電車 有川浩

2012年12月06日 | 読書日記
一駅の間に電車の中で起こった出来事が語られ、次にはそこで脇役で登場したした人が主人公になってまた一駅分・・という具合に短編小説がリレーしているような構成の作品。
彼女のお得意の自衛隊の話も少しだけ登場する。
内容はもちろん、後書きまでおもしろい。

最後のほうに出て来る傍若無人なオバサン集団をみんなでやり込める場面は痛快。

東京では、京王線とか小田急線とか言うけれど、関西の人は、阪神電車とか阪急電車って言うのが不思議に思ったことをふと思い出した。


幻冬舎 1400円
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M8 高嶋哲夫

2012年12月05日 | 読書日記
前半は、ポスドクの研究者がシミュレーションによって東京直下地震を予想し、それを行政や市民に伝えようと努力する物語。
後半は、実際に地震が発生した話。
文庫本の初版は2007年なので当然昨年の震災とは何の関係も無いが、当然、阪神大震災の経験に基づいて書かれている部分は多い。

阪神大震災を現地で経験し、また昨年の地震の記憶が生々しい私は読んでいて現実と区別がつかなくなりそうになった。
折りしも選書で政治家がやたらにマスコミに登場しているけど、そんなどうでも良い事ウダウダ行ってる場合じゃないだろう・・と言う気になってしまう。

しかし、昨年の地震による原発事故など、事実は小説を超えて居るところが恐ろしい。


集英社文庫 743円
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ジーン・ワルツ;海堂尊

2012年12月02日 | 読書日記
いつもの彼の小説と違って、大きな事件が起きて・・と言う展開は無い。
でも、他の作品のように、医療を取り巻く様々な問題をさり気無く(実はメインテーマだったりするが)提起している。
主人公は非常に魅力的な女性というのも良いし、サスペンスフルなストーリ展開も意外な結末も素晴らしい、お勧めの一冊。


新潮文庫 476円
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素晴らしい日本野球;小林信彦

2012年12月01日 | 読書日記
短編ユーモア小説集。

表題作と、次の「素晴らしい日本文化」はW.C.フラナガンと言う人が書いた勘違いだらけの論文を小林信彦が翻訳したというスタイルになっている。
この2作は、アイデアも内容も素晴らしくて、清水義範が書いたと言われたら信じてしまうような出来。

他の作品は、何かのパロディだったりしているらしいけど、元がわからないので面白さが全く分らないし、散りばめられたギャグも私のセンスには合わなくてちっとも面白くない。
冒頭の2作が面白いだけに残念な一冊。

前回取り上げた「紳士同盟」のあと、続けて「紳士同盟ふたたび」を読んだところこれもなかなか面白くて私の中での小林信彦の評価が上がったんだけど、次に読んだ「サモアン・サマーの悪夢」がイマイチ。そしてこれがまた良いと思ったら後半期待はずれ・・
と言う事で,ちょっと残念。


新潮文庫 320円
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