「現代万葉集」 2013年版 日本歌人クラブ編
・神々の集うところや里山の頂きごしの太陽眩し・
「星座α」の歌会に出詠した作品。尾崎左永子主筆から「里山という言葉には意味が俗臭がある」と批評された。だが作者としては、今年の作品の中で気に入った作品だった。
僕は今、病気療養中なのだが、窓から見た景を素直に詠んだ。里山は僕のマンションの部屋の真裏にある。その里山の頂きに太陽が沈むのは、いかにも神々しい景色だ。
・夕空に同化するかと思うまで離り(さかり)ゆきたり海鳥のかげ・
これも「星座α」の歌会に出詠した作品。会員からは好評でったが、尾崎左永子首筆からは、散々に言われた。そこで改作した。(原作を忘れてしまったが)「星座」の巻頭歌に出詠した。
稲村ケ崎の夕暮の実景である。「海鳥」は鳶。そこは鳥の名を出さず、詩としての普遍性を考えて、捨象した。
・天空に竜の形の雲のあり地に幾筋の光を降らし・
これは「運河」に出詠したもの。佐瀬本雄代表から「推薦歌」とされ、作品批評でも取り上げられた。
これも湘南の海で見た実景の回想をもとにしている。湘南の夕暮は、様々な表情を持っていて、僕はしばしば、短歌の素材にしている。
以上3首は叙景歌だが、叙景歌は「写実短歌」の基本と思い、2年続けて叙景歌を出詠した。
日本歌人クラブの会報「風」では「現代万葉集」の10首選の記事がある。ここに僕は2回掲載された。今年はどうだろうか。