岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

霧が丘短歌会2017年2月

2017年03月01日 22時22分18秒 | 霧が丘短歌会
霧が丘短歌会2月講座 2月27日 於)団地集会所


 会員の実力の進展がみられた。短歌は5・7・5・7・7の定型をもっている。これは長所であると同時に弱点でもある。2000年以上続いている詩形だから形に隙がない。しぶとい詩形だ。同時に定型にあてはめるだけで形になってしまう。

 かつて尾崎左永子「星座」主筆にこう聞いた。「5・7・5・7・7・7の定型に言葉をあてはめただけでは詩になりません。どうすれば詩になりますか」これは愚問だった。言葉で説明できるわけがない。そのころの僕は理屈で作品を読んでいた。それを脱する機会が「詩人の聲」のプロジェクトだった。


 優れた作品は、頭で判断しなくても抒情が心に飛び込んでくる。作品で表現したい抒情と作品の醸し出す印象が鮮明なのだ。「読みを深める」と称して解説しなれば鑑賞できないようでは作品の完成度は低い。

 この点、会員の作品は秀でている。作品の抒情の質が鮮明なのだ。叙景歌、心理詠、ユーモアの感じられる作品。さまざまあるが何にどう心が動いたかがはっきりしている。作品のもとになる感動の中心がハッキリしているのだ。理屈に傾く作品、工夫の必要な作品はある。だが着眼点がよいし、独自性がある。


 論点は「星座」「星座α」で批評している内容と一致している。僕の中での作品評価の基準がハッキリしているからだ。だから論点の詳細は省く。


 参考として寺山修司の作品11首の鑑賞をした。事実を事実として表現しない象徴詩の技法を使ったものが多い。象徴詩やシュールリアリズムの作品の鑑賞には吉田一穂、西脇順三郎の詩集、岩波文庫でも読んだらよいと思う。


 寺山修司の作品は抒情の質が鮮明だ。印象も鮮明だ。一読して印象が心に刻み込まれる。こういう作品を作る覚悟があるなら寺山修司や塚本邦雄のような作品を目指せばよい。僕はこういうことにしている。


 丁寧に説明したので参加者も納得していた。最後に「心を耕そう」という話をした心がつねに新鮮であれば作品はできる。僕の経験も含めて発言した。

 引き続き会員を募集する。講座は毎月第四月曜日の午前十時から。問い合わせ(045-922-5542)岩田自宅まで。


 来月は3月27日火曜日10:00より。






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