今シーズンのオオタカペア。 周辺環境悪化でピンチだ。
朝日を浴びる♀。
林内の♂。
青空にシメ。
オオタカは日の出前後に活動する。 11月から、日の出前の暗いうちに観察場所に着き、ずっと継続して観察を行なってきた。 結果、ペアの行動パターンや領域をほぼ把握した。 残念ながら観察者は私一人、熱心な人は誰もいないようだ。
なのに、どこの森でもオオタカが鳴く頃、どんどんカメラマンが集まってくる。 でももう遅い。 オオタカの撮影は ”待ち” の撮影。 ポイントで待っていれば必ず現れる。 声のする場所で追いかけまわしても、撮影は出来ない。 警戒して行動パターンも変わり、最悪は放棄に至る。
何度も書いてきたが、撮影には地道な観察の積み上げが必要だ。 彼らは必死に生きている。 遊び半分の写真はやめた方が良い。 本当の姿は撮れないからだ。
これからは、地道に観察を続け、我々などよりも、はるかに素晴らしい生態写真が撮れる、本物の野鳥写真家が現れることを期待する。 若い世代に頑張ってほしいと思っている・・・・。
*2005年よりブログを書いてきましたが、ほとんど書くことが無くなってきたので、今後は不定期、主に写真のみのアップとします。
杉にとまる♀。
テリトリーを飛び回る♂。
休む♂。
幼鳥も飛ぶ。
林にとまるツミ。
林を飛ぶノスリ。
冬本番になり、オオタカの森も活気づくはずであるが、最近のオオタカは本当に観察しずらくなった。 かつてはよく観察できた、ディスプレイや鳴きかわしなどが、ほとんど観察できない。
野生の生き物たちは、周りの環境にあわせて生態を変化させていく。 この鳥の生態はこうだなどと決めつけることはできない。 ある森の♀は、餌乞い鳴きや、交尾鳴きはするが、キョッ、キョッ、キョッ・・・と鳴くのを全く聞いたことがない。
ちなみに、オオルリなども毎年決まった繁殖相手がいると、さえずりをしなくなったと聞いたことがある。
オオタカは都市部で暮らすことにより、極力人間に見つからないよう、行動の変化をさらに進めているようである・・・・。
早朝、木の天辺にとまる♀のシルエット。
頭上を超えて飛ぶ♀。
♂も複数飛ぶが、どれがテリトリーの主だろう?
林でトラツグミに出会った。
普段良く撮っている野鳥でも、例えば、『枯れた葦原をバックに、ホバリングするカワセミを撮ってほしい』 とか 『エナガが巣材を運ぶところを撮ってほしい』 などのテーマや条件を課せられると、一気に撮影の難易度が上がってしまう。
その撮影には、その野鳥の生態や行動の知識、棲家や環境の知識、そして観察力や日々の努力が必要だからである。 ましてや 『オオタカが〇〇するところを撮ってほしい』 などと言われたら、気が遠くなる。 だが撮れた時の感動は大きい。
自由気ままな趣味の写真は楽しい。 だが同じ写真でも、たまたま偶然撮れた写真と、観察を繰り返し、習性や行動の知識を積み上げた結果が生み出した、必然的な生態写真とは、語りかける内容が違うのではないかと思っている。
ある写真関係者に『野鳥撮影は超望遠レンズではなく短いレンズを使うべきだ』 と言われたことがある。 是非はともかく 『その鳥の習性・行動等の生態を熟知していれば、短いレンズの方が肉迫した迫力ある写真が撮れるはずだ』と言う事の様で、一里あると思った・・・・。
林にとまるオオタカ♀。
低空で向かってくる。
遥か遠く、仲良く飛行するペア。(ディスプレイフライト 上:♂、下:♀)
ハイタカもとまる。
頭上を飛んだ。
ツミも飛んだ。
枝で休むカワラヒワ。
新たな年、野鳥撮影を始めてから35年目に入った。 いろいろな不思議への答えや、思い描くシーンをどうしたら撮れるだろうか、などを考え続けていたら、こんなにも時間が経ってしまった。
野鳥撮影はそれだけ奥が深いということだろうか、はたまた自分の観察力や撮影技量が低いということだろうか。 いずれにしても何かを伝えたいと、走り続けた年月であった。
自分の力で、どれほどの物が残せるのか分からないが、今年は「里山の自然とオオタカの物語」を一つ残したいと思っている・・・・。
精悍で綺麗な♀。
賢い♂。
木の実を食べるイカル。