最近の社会は、効率を上げ、早急に成果を上げることが最も良いこと。と多くの人達に植えつけてきた。 なので、野鳥カメラマン達も、簡単に成果を出そうと、必死に情報を得ようとしている。 だが、一羽の鳥を100人で囲み撮影する光景は、異様ではないだろうか。
一方で、現場で働いてきたベテランたちは、日々の仕事の中での経験の積み上げや、悩み試行錯誤しながら問題を解決してきた「ノウハウ」 が最も効率を上げる要素であることを知っている。
オオタカや他の野鳥を撮影する上で、私を含め仲間たちはこの「撮影ノウハウ」を身に着けてきた。 オオタカの撮影の場合、私はまず、営巣地の地形を把握するため歩き回る。 食痕や糞が多い場所を探す。 水場を探す。 などの後、観察を続け、行動を予想し、試行錯誤しながら撮影に臨む。 こうした結果を蓄積し、撮影ノウハウを作り上げてきたのである。
これから野鳥撮影を始めようとする方、若い方々には、あふれる情報には惑わされず、楽な成果とは別に、自分のテーマを持って、その撮影ノウハウを作り上げてほしいと思っている。
しかしながら、そのノウハウさえも、最近では人工知能(AI)に置き換えようとしている。 考えなくなったこれらの社会は、多くの者達にとって、幸せな社会になるのだろうか?・・・・。